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今年の観艦式日記〜海上自衛隊観艦式予行レポ〜 10月22日(日)


 さて、海上自衛隊三年に一度のイベント、観艦式。陸の富士総合火力演習同様、一般人は一枚(若しくはそれ以上:ダメですよ?某雑誌で教唆されてるような気がしなくもないけど)の葉書に運を天に任せないと参加が許されないレアイベントなわけですが。8月の富士には落選して腐っていた私に、「22日の観艦式予行(注:首相が参加するいわゆる本番は来週、それまでに今日ともう一回、ほぼ同じ内容の予行演習が行なわれます)のチケットがあるのだが行かないか」という我が友人、駅長閣下の誘いがあったのが火曜未明。「行かないわけがない」とばかりにチケットその他を手配したのが火曜日のその日のうち。今週一週間はなんだかあんまり物事が手についてない感じで過ぎつつ、ついに当日と相成りました。

 朝の7時に横浜ということで、往路の交通手段はムーンライトながら。いやあ…青春18切符が使えないシーズンオフだと空いてるなあ…夏冬もこんなならどれだけ楽か。無理な相談ですけど。

 で、ムーンライトを使った場合…確かに早く着けるんですけど、むしろ早すぎるんですよね。4時半に東神奈川駅に降り立ち、6時半くらいまでぼーっとせざるを得ない。毎度のことだけど暇だ…

 暇潰し完了後、乗艦場所、瑞穂埠頭へ。Yahooの地図で場所を調べても出てこなかったのですがそれも当たり前、なにしろ米軍基地の敷地内なんですね。というわけで、手荷物検査は米兵の皆さんが。……なんか、無意味に怖いっつか緊張する…

 米軍基地の中をバスで移動して岸壁へ。日本各地から参集した艦艇のうち、「まつゆき」「さわゆき」「あすか」そして、本日私が乗せてもらう「さみだれ」がこの岸壁に。


DD130「まつゆき」 DD125「さわゆき」。…しかし、式次第の参加艦艇の中には「さわゆき」の名前はありません…予備艦か?


「あすか」、そして、「さみだれ」…のケツもとい艦尾。奥が「あすか」

 出港は0905、それまでの間は艦内見学。軍艦内部なんて「三笠」しか見たことないのでいきなり大はしゃぎです。以下、艦の細かい部分の写真。まずは外側。



自衛艦名物? 各種装備の注意書き銘板。何か備品あるところに銘板あり。



76mm単装速射砲と艦橋。そしてとても細かい注意書き。ほら、こういうところは1/700の模型ではわかりませんから。あと展示してあった砲弾。昔見たく人力装填ではないでしょうけど、これを運んで押しこんで撃ってまた運んで押し込んで…はしんどいなあ、といった程度の重さ。



前部VLS、短魚雷発射管、艦橋のチャフ発射機。VLS、立ち入り禁止マークが貼ってありましたが、航海中はこの上で昼寝してる人がいました…「そこ、ミサイル出ますよ」とかどれだけ言いたかった事か…




艦橋小物集。檣を下から覗いたり、レーダーらしきものとか信号旗置場らしきものとか鐘とかCIWSとか旭日旗とか。例によって1/700ではただの樹脂の塊に成り果ててしまうものたちをしつこく眺め回す。




その他小物集。艦種揚錨機、カッター、ダミー君(仮)、煙突、浮き輪。あと、隣にいた「あすか」の艦橋。試験艦なのでイージス間艦と同じく、フェイズドアレイレーダー搭載。


両舷互い違いに装備された対艦ミサイル発射装置。


そして、海自名物お茶目なスペック説明「それは秘密です」。いやまあ、今までに発見された数々の「全スペック秘密のヴェールに包まれた秘密兵器」に比べたら、たった一項目なので大人しくはありますが。それでもやっぱり実物を見ると笑ってしまいます(あ、この説明自体はVLSのところにあったはず)。

 続いて艦内編。


艦内はこんな感じ。2人すれ違うのはちょっとしんどく階段も急な、いわゆる「軍艦の中」。いやまあそのものなんだから当たり前ですけど。割とあちこちに訓示が貼ってあったり。


士官室と艦橋。なんか、士官室は迷子預かりセンターになってた気がしますが…


扉を撮る事すら結構逡巡した(でも撮った)CIC。そして、艦内では普段はアイス100円らしいです。写真を撮った後にもう一度通りがかったら裏返されてたとこ見ると、これもまた機密だったのかも。


機関室。…さて、かつて「猫アルクが案内板に描いてある艦があった」なんていう伝説もあったのでそういうネタがあるかと思ったもののここまで、残念ながら見つからず。その代わり、


機関室の計器の上に斯様な写真が貼ってあったりしたのを見つけましたが。やっぱりどこかワンポイントあるものですね。お茶目だ海自の中の人。


格納庫。…どう見ても手作りです以下略と、本日の式次第。




 さて、出港時刻。まず横付けしてあった「あすか」が離れてタグボートが接近、いざ出港!

 この時点では天気晴朗で浪低し。ああ、潮風が気持ちいい。

 見渡していると、湾内のそこらに観艦式に参加する自衛艦の姿が見えます。


一足先に岸壁を離れた「まつゆき」。むこうも見渡しのいいところに人が一杯。




順に「あぶくま」、「さわぎり」、「あけぼの」、「ときわ」。



ベイブリッジを通過。海保の巡視船の姿も。



 目的地の相模湾につくまでの間、76mm砲やCIWSの操砲が展示されたり。迫り来る飛行機への最後の盾だけあってぐりんぐりん動くCIWSが印象的だったり。




集結しある観閲艦隊。



 出港から2時間前後、観閲艦隊(観る方)が集結、二列縦陣に。向こう側が観閲部隊で前から順に先導艦「いかづち」観閲艦「くらま」、随伴艦「ちょうかい」「ひえい」「さわぎり」「うみぎり」「あけぼの」(写真左は「ちょうかい」以降)。こちら側は観閲随伴部隊、「さみだれ」を先頭に「まつゆき」「あぶくま」「ちはや」「うらが」「あすか」「てんりゅう」(写真右は「さみだれ」艦尾よりの撮影)。


ヘリコプター護衛艦「くらま」。来週の本番ではヘリで安倍首相が乗りつけるはずですが、今日は予行なので首相は抜き。


イージス艦「ちょうかい」。「観艦式行くねん」と普通の友人に話したら、「イージス艦も来るのか」と聞かれるくらいに有名な、日本の最有力艦。隣の国がとち狂いの度を深める今日この頃、その役目はますます重大なものとなっています。二枚目の後にくっついてるのは「ひえい」。



順に「あぶくま」「あすか」「うらが」「いかづち」。



 さて、観閲部隊が隊列を整えたころ、水平線の向こうから姿を現す受閲部隊(観られる方)。こちらの二列の真ん中をすれ違っていきます。陣容は前から順に


「たちかぜ」。右、「たちかぜ」と「いかづち」が擦れ違う。
旗艦「たちかぜ



順に「たかなみ」「おおなみ」「むらさめ」。ヘリが載ってます。
第一群 護衛艦「たかなみ」「おおなみ」「むらさめ



「さわかぜ」「あさかぜ」と「しまかぜ」の後姿らしきもの。
第二群 護衛艦「さわかぜ」「あさかぜ」「しまかぜ



小型艦揃いの第三群をまとめて、「ゆうばり」、「いしかり」。
第三群 護衛艦「ゆうばり」「ゆうべつ」「いしかり


「やえしお」と…だと…思う…
第四群 潜水艦「やえしお」「わかしお」「なつしお」「ゆきしお


「ぶんご」と以下二隻まとめて。
第五群 掃海母艦「ぶんご」掃海艦「つしま」掃海艇「すがしま



空母もどきこと「しもきた」とその搭載ホバークラフト揚陸艇(LCAC)。
第六群 輸送艦「しもきた」 LCAC×2


「おおたか」。
第七群 ミサイル艇「おおたか」「くまたか」「しらたか

第八群 海保巡視船「やしま」…だけど…今日はいたっけ?

 艦艇の受閲が終了したら次は航空機…ですが…

 その、間抜けなことにこの段階で早くもカメラの電池がヤヴァい状態に…うう、本番までに調子乗って撮りまくったらこうなるって富士で分かってたはずなのに…
 しかも天候も下り坂に向かって暗くなる中、一応携帯カメラで撮れるだけは撮りましたが以降写真は画質がさらに落ちる上クリックしても拡大しなくなります。悪しからずご了承ください。

指揮官機 UP-3C
第一群 SH-60J×3
第二群 MH-53E×3
以下、陸自のチヌーク、TC-90、US-1AP-3C、空自のC-130F-2F-15が飛来するも、撮影にはことごとく失敗。うあああああ、イーグルとF-2だけは何が何でも収めたかったのに…



とりあえず撮れるには撮れた航空機。UP-3C、SH-60J、MH-53E、TC-90。間近で見たF-2とイーグルはとても素晴らしかったのに、残念。

 次は展示。いわば実技。だからこんなのが控えてるのに何で無駄撃ちしちゃったんだと本気で自分を責めつつ、携帯で儚い抵抗を試みる。




 祝砲並びにボフォース対潜ロケットの発射。立ち上がる水柱。ただし、ここらへんは迫力は確かにあるものの、距離が相当開いているため、富士の90式戦車の発砲に比べたら衝撃度は薄いですね。具体的に言うと、発砲があっても思わず身体が仰け反ってカメラがあらぬ方向を向かない程度(笑)。



 ヘリの発艦。風圧で水しぶきが立ってるのが…この写真からわかれというのは無理な話だよなあ…右の方がまだしもわかりやすいか…




 潜水艦の潜行・浮上。奴ら、結構凄い勢いで沈んでいきます。そして浮上するときは相当な急角度。中の人は大丈夫なんだろうかというか、大丈夫なんだろうから凄いんでしょうなあ。



 インド洋とかでやってる洋上補給の実演作業。地味な作業ではあるものの、実際は多分一番重要。海外に出向いて本当に他国の艦艇にやってるわけですし。



 艦からのフレア発射。恐ろしく見にくいですが、海の上に落ちてもまだしばらく燃えてます。これが熱源になって敵弾を撹乱するんですね。




 不逞国家の不審船を追い払ったりとっ捕まえたり撃沈は実際問題ややこしくなるから無理だろうけど活躍が期待される軽快艦、ミサイル艇と、ホバークラフト式の揚陸艇LCACの高速航行。まさに「白波蹴立てて」という言葉にふさわしく、後方から観閲部隊をぐんぐん追い抜いていきます。これなら超高速漁船風工作船も怖くない!




 二式大艇の末裔、US-1Aの離着水。水上機愛好家の私としてはもう、最高。



 締めはP-3Cからのフレア発射と対潜爆弾投下なのですが、観閲部隊の向こう側で、天候が悪くしかも携帯カメラではろくな写真が撮れず(泣)。ああくそ、いっつも飛行機相手だとこうなんだよなあ…

 これで観艦式(予行)の日程は終了。あとは横浜港へ帰港するのみ。ここに来て天気が崩れだしたので、ヘリ格納庫内で配ってる毛布もらってぼんやり。

 実はこれまでの間も、観客は毛布を配ってもらってそれを甲板の思い思いの場所に敷きながら座ったり寝転がったりして過ごしていたわけですが…

 …なんだかその、「軍艦に乗った民間人が毛布配給してもらってみんな格納庫内で寝たり座ったりしている」光景って…一歩間違えたら、「包囲下の都市から命からがら脱出してきた避難民を安全な後方に退避させる救援部隊の図」にも見えますよね…外の天気が悪いから尚更…

 いやまあ末期戦に毒されきった発想だというのは重々理解しているのですが。

 1620頃、横浜に帰港。揺れない大地を踏みしめる。

 弾薬をバカスカ撃ちまくる富士と違って、派手さという点ではそこまでではないかもしれませんが、やっぱり艦艇はそこに在って、隊列を組んで航行しているだけで観るものを圧倒する威圧感があります。今日の参加艦艇にしたって1万噸越えてる艦はなく、昔の基準で言えば軽巡〜駆逐艦クラスの艦ばっかり、そんな風に考えていた時期が私にもありましたが、実際に見てみるととんでもない。威風堂々で燃え燃えです。というか、今日の参加艦の5倍10倍の排水量を持つ連中が大挙して参加してた旧軍の観艦式って…想像するだけでもう、大変なことに。

 なお、今日の速度は12kt≒20q/hくらいだったようですが、海の上だとこれくらいの速度でも速い速い。風があって波が立つからそう感じるのだとは思いますが、とても自転車で気合入れたら抜けるとは思えません。海上でチャリには乗れませんが。
 あと、もっと揺れるのかと思いきやそんなに揺れませんでしたね。波もそんなに高くなかったし、4,500噸もあるわけですからこんなもんなのかもしれませんが。といっても帰りに速度が上がったときはやっぱり揺れは少し増していた気がするので、全力出したりしたらもっと凄いことになるのかもしれません。

 なんにせよ、とても素晴らしい体験でした。これで陸の総火演、海の観艦式を制覇。次は…空か!?



 補遺。乗艦時に貰った海自のパンフレット、艦のパンフレット、観艦式式次第、クリアファイル。豪華だ…配布物では間違いなく陸自の総火演に勝ってる(笑)。とりあえず、このクリアファイルは常用決定。
     
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