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ばっくとぅとっぷ


ワシントンDC2日目 ウドバー・ハジーセンターその3 5月12日(火)


 日独を終え、床に置いてある米英の機体を見てから第一次大戦のほうへ。




 P-47D サンダーボルト。P-47初飛行から20周年記念としてレストアされた、とか。例によって国内で練習機として使われてた機体のようですね。






 B-29 スーパーフォートレス "エノラ・ゲイ"。説明は要らないでしょう。これを展示することについては日本国内などの反核団体からの抗議があり、かと思えばアメリカの退役軍人からは余計なことは展示しないようにとの圧力があったとのことで、結局解説板は他の飛行機とあまり変わらない大きさのものに淡々とした事実が並べられているだけ、デイトンのボックス・カーと比べると拍子抜けします(まあ、あそこは米空軍の施設ですからそっち側の立場をより濃く出して当たり前なんですけど)。

 ですが、原爆投下を賛美する内容もまた、この短すぎる紹介から読み取れないのは事実。よって、「飛行機の」博物館にこれ以上のことを求めるのもまた行き過ぎだと思います。少なくとも、「機体の展示自体=原爆賛美」、や「機体そのものの優秀性を讃える=原爆賛美」、と取るのはなんか違うんじゃないかなあ、などと。




 デイトンでは狭くて暗い場所に詰め込まれており、またこれ以上に大きいジェット機どもがわらわらいてつい、「後の中型爆撃機」的に見えたのですが、これより大きい機体が数えるほどしかないここでは、やはりその大きさが際立ちます。

 全体のフォルムは綺麗な飛行機。機首まわりは私個人の趣味からすると、なんかのっぺりしすぎかなあという気もしつつ。いや、理にかなっているんだというのはわかるのですが。顎銃塔とか無意味な段差みたいな変な特徴(あくまで見た目)がありすぎるのもどうかと思いますし。




 P-38J ライトニング。なんかちょっと色褪せた塗装に見えますが、これはオリジナル塗装のまま。つまり、色褪せたどころか塗装が物凄くよく残っているということ。




 ハリケーン UC。やっぱり練習機ライフを送っていたもの。なんだこのでっかいライト。



 XR-4C。世界初の量産されたヘリコプター……の試作機。



 N2S-5 カデット。陸軍のPT-13Dの海軍呼称。真珠湾のジャスト二年後に納入された機体…… って、実はさっきから真珠湾のジャストn年後、という表記の機体はちらほらあったりするんですよね。狙ってんのかなあ。狙ってるんだろうなあ。



 OA-1A "サンフランシスコ"。1926〜27年にラテンアメリカの方に親善飛行に行ったようです。しかし、ええアゴしてるなあ。素人目にはちょっと高い波にあったら操縦席までかぶってしまいそうにも見えますが…



 タイニー・ティム 空対地ロケット弾。第二次大戦中にアメリカが使った最大のロケット弾。長さ3.1mで総重量565kg。



 HVAR 空対地ロケット弾。これも大戦から朝鮮戦争にかけて海軍で使われたもの。コルセアなんかが使っていたようです。



 あー、解説板撮り忘れてるや…… まあ、もう見てる人の興味のあるところは終わってるからいいか……



 ボールドウィン レッド・デビル。ボールドウィンはむしろ気球や飛行船で有名な人のようです。大阪にも来たことがあるとか。



 フライトシミュレーターコーナーはどこにでもあって、しかもそこそこ盛況。なお、見てお分かりの通り第一次大戦区画に入っています。



 N-9H。JN-4 ジェニーの水上機型。



 カーチス モデルE 飛行艇の艇体部分。



 乗ってる姿はこんな感じ。解説板のフライング・ボートを飛行艇と訳したのですが、むしろ訳さない方が良かったかもしれません。まさにボートに羽が生えた感じですし。



 Fowler-Gage 複葉機



 スパッド ]Y。スパットシリーズの複座型、]Tのエンジンを換装したもの。この機体はあのウィリアム"ビリー"ミッチェルが大戦の最後の一月に乗って偵察を行ったものだとか。



 コードロン G.4 偵察・爆撃機。解説板によるとこの機体が現存最古の爆撃機で、第一次大戦当時の多発機の数少ない生き残りでもある…そうですが。



 この機銃の装備方は楽しい。ジャムった時に必死に直してる姿を想像すること含め。



Halberstadt CL W。デイトンにもいました。



 随分ぴかぴか… ということでレプリカの、ライト モデルB。エンジンはオリジナルに使われていたのの(シリアルナンバー33)で、ちゃんと飛行可能。



 第一次大戦以前も終わって、なんというか… それ以外の民間機のコーナーに。この飛行機はネメシス。1991年から96年にかけて、リノ・ゴールドレース9回を含む45回のレースで優勝、16の世界記録を樹立して、「最も成功したエアレーサーと言われる」……とか。



 こっちはBeck-Mahoney "Sorceress"。リノの複葉機クラスで活躍。全金属製複葉機というのも萌えますね。




 ボーイング 367-80。初期のジェット旅客機、ボーイング707や空中給油機KC-135の原型機。大きさ的にはエノラ・ゲイ、コンコルド、エンタープライズと並ぶここの主役。シアトル郊外で行われた初の一般向けデモ飛行で、パイロットが勝手にバレルロールをかまして当時の社長が恐怖と不安から失禁しただとか、そのことが生きていてか777の初飛行時の最後の指示が「ロール禁止」だったとか、ただの大型輸送機と侮れない伝説を持っています。パイロットの腕が凄かったのは当然としても。



 Bowlus BA-100 Baby Albatross。戦前のホームビルトグライダー。



 Su-26M。そう、あのソ連のスホーイ。コブラ機動もできるとかできないとか。レシプロ機なのに…



Turner RT-14 Meteor。戦前のトンプソン杯で飛んでいたもの。



 Leo 44C "Jungle Emperor"。格好いい機体です、性能に関しては実は巷に語られるほどではないんだ、という話もよく聞くところですが、少なくとも姿形に関してはこの特有の風格は競合機種や他分野機には出せまいぞ、と。アフリカが現在の主要生産地のようですが、生産はしやすいのか日本を含めた各国でライセンス生産されているようです。

 アホなことはさておき、なぜかぽつんと置いてあったレオ君パネル。なにやらロゴの入った服っぽいものを着せられているので、少なくともいずれかの機の関連展示だとは思うのですが、その割にどの機体とも微妙な距離が開いてたんだよなあ…… 時々謎なことをする組織、それがスミソニアンということで納得しておきましょう。



 コンクェスト1。エアレース界隈の有名人、ダリル・グリーネマイヤー(実は私が知ったのはエアレースとは関係ない、グリーンランドで氷漬けになってたB-29を回収しに行くドキュメントを偶然読んだからなんですけどね)がMe209の速度記録を30年ぶりに破った時の飛行機。あの「いきなり小型俊敏になった(名前以外は)猫」こと、F8F-2 ベアキャットの改造機。翼端をぶった切ったりプロペラがスカイレイダー、スピナーがムスタングの物になったりしていますが、一目でわかるのはキャノピーが異様に小さくなってることですね。戦闘機と違って必死に周囲を見張る必要もないし、速度的には邪魔以外の何物でもないですから。




 前線の独軍兵士の皆さんからはおばさん呼ばわりで親しまれたJu52/3m。なみなみ〜。ただし、この機体はスペイン製で、ルフトハンザがデモンストレーション用に購入した後、スミソニアンに寄付されたものとのこと。



 カーチス 1A ガルフホーク。その名の通り、カーチス・ホーク1を改造したアクロバット機。



 そしてガルフホーク2。 脚の引き込み方などからわかる通り、米海軍最後の複葉戦闘機、グラマン F3Fの派生というかなんというか。 ……でも名前は先代から継承してホークのまま。どうせならガルフキャットとかにしましょうよ(笑)。



 ベランカ C.F。この機体で2回の空中結婚式が行われたようなのですが、それはいったいどういう光景だったのでしょうか。想像がつきません。



 Bede BD-5B。ジェット機バージョンもあって、そっちは世界最小のジェット機だとか(無人機とかバックパック式の愉快な物は除く)。他にもさまざまなエンジンを搭載することが試みられていて、中にはホンダ・シビックのエンジンをターボアシストつけて積んだアホまでいた、とも…



 与圧キャビンを持った最初の旅客機、ボーイング 307 ストラトライナー "クリッパー・フライング・クラウド"。主翼や尾翼、エンジンはB-17からの流用。



 ストーリー リトル・ジービー。手作り飛行機ですが、オレゴンからDCまでの飛行を三回も成功させているとか。なお、ジービーレーサーとは名前にあやかった以上の関係はないと思います。



 マクレディ ゴッサマー アルバトロス。上の琵琶湖鳥人間コンテストにでも出てきそう(最近はもっと凄い機体ばっかりですか、あれは。というか放送休止?)なほうです。初の英仏海峡横断達成人力飛行機。



 エアバス A330/A340の脚。



 YH-19A。S-55、またはH-19の最初の試作機。海保や自衛隊も導入していました。



 詳細失念、多分ホームビルト機。どちらもなかなか面白い形をしています。



 Mignet HM.14 Pou du Ciel "La Cucaracha"。エンジンの付け方がなかなかステキ。名前(Pou〜の方)の意味は「飛ぶノミ」だとか。変なの…



 XV-15。ティルトローター実験機。この機で培われた経験は、のちのオスプレイに生かされました。



 Cosmos Phase II。プロペラガードのせいで、まるで巨大扇風機を背負ってるかのように見える…



 ロッキード スーパーコンステレーション。この機体は空軍向けのC-121C、ウエスト・バージニア空軍州兵所属時代の塗装。



ビーチクラフト キングエアー 65-90。今も生産され続けているターボプロップ機。



 Shrike Commander 500 S。製作会社は改名したり合併したりと色々変遷していますが、解説板ではノースアメリカン・ロックウェルとなっていました。



 ダッソー ファルコン 20。FedEXから寄贈された機体。当初は同社の戦闘機シリーズ同様、ミステールの名を冠していたようですが、結局輸出向けのファルコンに統一されたようです。 ……元の名前の方がおフランス風でよかったのに。さすがに戦闘機のシリーズ名に旅客機を割り込ませるのは無理があったか(笑)。



 F9C-2 スパローホーク。飛行船「アクロン」「メイコン」に搭載された寄生戦闘機。デイトンで見たゴブリンの先祖です…… って、米軍にとっては由緒正しいアイデアなんですね、寄生戦闘機(うちの国でいうところの潜水艦搭載機のようなものか)…… なお、母艦たる飛行船が二隻とも事故で失われているため、実戦配備はされていません。これは6機作られたうちの現存する最後の1機。パラサイトファイターお約束のフックも付いてます。



 グラマン G-21 グース。何気にグラマン初の単葉機。海軍型が戦後海自にも4機ほど供与されました。名前通り、愛嬌があってかわいい。



 ビーチクラフト ボナンザ 35。メジャーな高級自家用機。



 本館の方にもアメリア・イアハートが乗っていたのがあった、ロッキード ヴェガ。これはウィリー・ポストの乗機、 "ウィニー・メイ"。彼もこの機体で8日で世界一周、7日で単独世界一周、そして彼自身が設計した世界初の与圧服を着て成層圏を飛行するという記録を樹立しています。



 そして、これがその与圧服!!  ……ふ、伏龍…………? 

 さておき、微妙な上半身の前傾具合がなんとも言えない哀愁を醸し出しています。 今レストア中でもうすぐ展示するよ! とのことなのですが、実物もぜひこのポーズで展示していただきたい(笑)。



 セスナ A152。なぜかスミソニアンのサイトのデータベースで出てこない…



 無闇に長大な翼のパスファインダー・プラス。太陽電池で動く無人機。翼幅36mはB-17よりさらに5mほどでかい。もっとも、重量は221kgと、B-17に一体何機積めるんだというものですが。



 ダグラス M-2。Western Air Express向けの郵便機。



 ここら辺になると解説板撮り忘れが頻発するのも仕方ないですよね。



 これは撮り忘れじゃなくて解説板がそもそもなかった、はず。まだ準備中なのだと信じたい。



 ずらりと並ぶ空撮用カメラ類。詳しく撮るだけの余裕は残念ながらなく……






 なんか上にはカラフルなスポーツ用グライダーも乱舞している上、解説板までちゃんとあるのですが、民間機ラッシュの時点でこれ省いてもいいんちゃうかなーと思ってるところにこれらまで解説しだすとなると本気で挫折しそうなので、写真連打でお茶を濁しておきましょう。次は1階で残るコンコルドと回転翼機類を片づけて、2階へ。

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