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ばっくとぅとっぷ


オタワ・カナダ航空機博物館その3 7月16日(木)



 航空機博物館、本館多分ラスト。まずは黄色ずくめの練習機コーナーから。



 真っ先に登場するのはデイトンでも見たフライトシミュレーターの祖先。そういえば確か、日本の誇る歴史作家シバリョー氏は確か、例の今や日本戦車隊を語るのに欠かせなくなってしまった困ったちゃん発言こと「三式中戦車にヤスリ」発言と同じ時か同じシリーズだかで日本陸軍の戦車操縦シミュレータについて畳の上の水練と切って捨てていたような気がしますが、この機械の存在を知っていたのでしょうか。

 …まあ、同じ畳の上の水練でも、こちらは水練専用に開発された特殊畳(どんなんやねんそれ)、かたやあっちはそこらの古畳に気持ち蚊帳だけは敷いてある程度、くらいの落差があるんでしょうけど。



 PT−26B コーネルV。PT-19のカナダ向け。



 DH.82 タイガーモス。今でも飛んでる機体さえある傑作機。



 アブロ 652A アンソンX。元は沿岸哨戒機でしたが、その任務はハドソンに譲って練習機に。実はこの旅行記では飛行機の名称については基本生産メーカーを頭に関しないようにしていたのですが、たまにこの機のようにメーカー名をつけてないとどうしても座りが悪い機体がいて困ります。いやまあ心底どうでもいいことですけど。



 ハーバードU。日本軍機のコスプレをしばしばさせられる機体こと、テキサンです。練習機に大学の名前をつけるのは面白いような微妙なような難しいところ(他にオックスフォードなんていう機種もありましたっけか)。我が国だと東京京都…だと広すぎるから、「本郷」や「吉田」なんていう愛称がつけられるようなもんですか。それは違うか。



 フリート 16B フィンチU。寒冷地であるカナダ産ということで、こんな小さな複葉機ながら密閉風防……らしいのですが、この角度からはわかりません(苦笑)。なお、この機体の風防は当初失われていたようですが、後に別口で寄贈されているようです。

 これで練習機コーナーは終了、大戦機コーナーです。




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 この博物館を訪れた当初最大の目的二つのうち一つ、ランカスター Mk.]。米製重爆はさんざん見ましたが、やはりもう一つの重爆大国たるイギリス機も見ておかないと。 ……イギリス機の場合、純然たる主力機でもどこか珍妙不可思議な味がある奴らが多いですしね、特に重爆には。 この機体はそんな私の期待を十分に満足させてくれましたが、一番まとも(に個人的には思える)なこいつでそれなんだからハリファックスやスターリングは… …ううん、彼らも一度見てみたいものだなあ…




 そのランカスター、機首部分だけはもう一つ置いてありました。




 もはやおなじみとなった感のあるハリケーン Mk. XII。ただし、カナディアン・カー&ファウンドリー社で製造されたカナダ産。この機体はバンクーバーで練習任務に就いていたようです。




 これもおなじみ、スピットファイアMk.\ L.F。L.Fは低高度型の意、かつ主翼がスピットファイアの特徴たる楕円翼ではなく切断翼。この機体は大戦中はポーランド人飛行隊やカナダ軍で使われ、戦後にはオランダに売られて蘭印に送られ、その後ベルギーの個人が手に入れて最後にここに来たという、なかなか各地を転々としていたもの。




 ライサンダー V。主翼の形のせいか、どことなく蝙蝠っぽい印象を受ける飛行機。そのことといかにも直協機であります、的に頑丈な脚とがあいまって非常に悪役メカっぽい感じがするところが大好きです。なお、改良型に特に夜間作戦における非発見率の低下を目的として、エンジンをより静粛性の高いものに換装したライサンヨーがあります。鞭声粛々。

 あー、うん、寒いですね。知ってます。



 ドイツ機もあります。やっぱりメジャーどころ、Bf109 F-4。ソ連はムルマンスクに不時着したもの。その後90年代半ばにイギリスのレストア技術者が買い取ってレストアしたとのことですが、その間ソ連が鹵獲して保管していたのか、現地に残骸的に放置されていたのかについては書いてませんでした。なお、レストアの際にはこの機の歴史的経緯に敬意を表し、弾痕はそのままにしてあるとのこと。主翼上の胴体とコクピット付近に見える穴がそれでしょうか。




 この博物館もう1機(実はさらに隠し機体があるのですが、それは次の回で)のドイツ機は、Me163B-1a コメート。あまりにもレアで珍奇な機体ゆえ、かえって各地の博物館に現存している飛行機の例の一つ。 …ですが、どうも解説板が見当たらなかったような(笑)。博物館のサイトの方には記事がちゃんとありましたが、そちらにも45年製造、同年鹵獲されて翌年カナダに送られてきた以上のことは書いてありませんでした。まあ、この機体の場合それ以上に複雑な経歴なんてそもそもありようがなかったような気もしますが。



 カーチスのアゴの援英仕様、キティホークT。やっぱり鮫顔がないとアゴが目立ちますね…



 大戦機コーナーと艦載機コーナーのつなぎ的な場所に置いてあった、グラマン G-44A ウィジョン。解説板にはスペックが載っているだけ、サイトにも説明文なしの機体。まあ、この二つのコーナーのつなぎには最適な気はします、飛行艇ですし。



 

 F.2B ファイター。現存するフライアブル機3機の一つ。



 微妙にずれた位置からプロペラシャフトが出ているのがステキ。






 ここからが本館最後のコーナー、艦載機コーナー。最初に出てくるのがここの当初の目的のもう一機、ロイヤルネイビーの誇るいろんな意味で伝説級の艦上攻撃機、超複葉ストリングバッグことソードフィッシュ。複葉というとどうしても小さな機体かと思ってしまいますが、実物は結構大きいです。それもそのはず、実は全長ならライバルの九七式艦攻やTBDデヴァステーターよりも1m〜0.5mほど長く、全幅は1.5m程度小さいもののでもあなた良く考えたら複葉ですよね、というわけで。もちろん構造的に華奢っぽくは見えるのですが。

 なお、この機体は1965年に、オンタリオ在住で自分の農場にノースアメリカン・イェールやソードフィッシュ、ライサンダーを所蔵していた"an eccentric farmer"、アーネスト・シモンズ氏から購入したもので、オリジナルの番号はわからないそうです。 ……いや、わざわざ解説板に購入先のことをエキセントリックとか形容するのは……いいのか……?



 シーフューリーF.B.11。第二次大戦には間に合わなかったものの、朝鮮戦争で活躍した艦戦。あと最近ではエアレースでも活躍しています。この機体はシェアウォーター航空基地やカナダ海軍の空母「マグニフィセント」に配備されていたもの。カナダ、イギリスからの供与とはいえ空母持ってたんですよね、意外にも。



 本館最後の1機はマクダネルの妖怪シリーズより、F2H-3 バンシー。これはカナダ海軍のバンシー装備エキシビジョンチーム、「グレイ・ゴースト」でも使われていた機体。



 そこはかとないをかしみを感じさせる正面からの構図。



 この博物館唯一の日本機の展示(違う)。そういえばこの博物館、模型展示の類の数が非常に少なかったですね。ミリタリー系の博物館はどんなに展示物に恵まれているところでも、無意味に多くの模型展示も陳列しないと気が済まないものだとばかり思っていたのですが、ここは例外でした。



 ……でも微妙な顔ハメはあるという。左側の座ってる男性、結構不自然な体勢じゃないかとかそういうことは気にしないが吉、でしょうか。

 これで本館は終了。次は別館に格納されている連中を見に行きます。

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