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ばっくとぅとっぷ


ウィルミントン 戦艦ノースカロライナ その1 9月9日(木)


 ノースカロライナ州ウィルミントンのダウンタウン対岸に係留されている、戦艦ノースカロライナ。街の対岸という点はニュージャージーとある意味同じロケーションですが、むこうは対岸側も街だったのに対しこちらの戦艦がある側はほとんど森と荒野。荒野、というか若干湿地っぽい場所もあった影響か結構蚊が多かったりもしました。いやまあ、あまり人も入ってないような草地に突っ込んで写真撮りまくってた私が悪いような気もしますけど。そら水たまりに足突っ込んででも撮影ポイント探してたら蚊も食いに来るわ。




 到着した前日の夕方に、街の川沿いのボードウォークから。実は今回泊ったホテルは川に面している上にボードウォークに接続していたりして、窓から艦が眺められるという絶好の位置でした。



 川のこちら側には沿岸警備隊の基地なり拠点なりがあるらしく、巡視船が泊まっていました。

 さて、街から戦艦に行く手段としては、まず渡し船があります。これは夏の間(ごめん始期は調べてない)レイバーデーまでは毎日出ていますが、それ以外の期間は週末しか出ていないので注意。

 ところでレイバーデーっていつ? ああ、9月の第1週末のようですよ? つまり、4日ほど前ですね。

 ………ということでこの手段は使用不能。おとなしくタクシー使いましたが、まあ片道10ドル程度なのでこれは仕方ないでしょう。ともあれ、タクシーの運ちゃんに帰りも来てくれるよう頼んで、いざ。




 のーすか!!

 うむ、やはり戦艦は空母よりさらに桁一つくらい… 燃えます! 外見見てるだけでテンションマックスさ!



 空母とは水面からの高さがかなり違う甲板。ちなみにこの第一砲塔と第二砲塔の間の喫水線下あたりが、伊19潜水艦に雷撃食らった場所(ワスプ撃沈の時のとばっちりですね)。



 艦橋。いかにも後期アメリカンなシンプルな塔型。積んでるレーダーがどういうものかなどは、識者の皆様方にお任せします(笑)。



 大戦時の状態ということで空を睨みまくる機銃&高角砲群。主砲もですがこれらの見た目いかにも重武装感がたまりません。



 レーダーの詳細などについては以下略。



 艦尾から乗艦。



 まず眼に入るのは20o単装機銃×3。移動式ではなく固定式みたいです。しかし、見ての通りこれ、主砲のすぐそばで人員むき出しなんですよね… 対空戦闘中に主砲が火を噴くなんていうことはまずない(三式弾もないし)にせよ、怖いよなあ。普通にバラバラになりますよね、身体が…



 右舷の機銃にはカバーが。




 OS2U キングフィッシャー。私の水上機補正もかかって、斜め前から見るとなかなか格好いい。横から見ると妙にキャノピーが長いような気もしますが、三座機はもともとこんなもんですよね。



 クレーン。カタパルトは見当たりませんでした。



 クレーンと艦尾40o4連装機銃とキングフィッシャー。




 第三砲塔。側面のネットみたいになってるとこはなんなんでしょう。上面には機銃座。我が国の艦もそうですが、この主砲塔の上にまで乗ってる機銃座を見ると甲板上の剥き出しの機銃以上に必死さというか、ここまでしないと(しても)ダメなのか、という感じを受けてしまいます。

 さておき、主砲塔内へ。



 例によって砲の発射機構は扉で隔てられていて、入れるのは射撃指揮とかするっぽい場所。横にはそこそこ広いですが縦はかなり狭い。



 上左の写真の右側を突き抜けている円筒が測距儀、その先部分。望遠鏡というかレンズが仕込まれてるんですね。



 外から見ると、こんな感じ。



 各砲はそれぞれ発射までの一連の流れを再現しているようです。まず砲弾があがってきて、



 装薬つめて、



 薬室に押し込む、と。 なお、この艦では兵員の動作の再現をマネキンではなくこの白い影人間にやってもらっています。 …無表情だったり逆に無駄に表情豊かなマネキンたちによるシーン再現も確かに時にどうかと思うのですが、かといってこれは…… なんというか、不気味だよなあ……



 

 多分角度とか調整する部署。機械のスキマに人間が挟まってというか機械の一部になってるというか。いかに分厚い装甲に囲まれてるとはいっても、直撃喰らったら中の人はただではすまないでしょう。着弾の衝撃だけで全身強打しかねません。



 スコープ。ばっちり生きています。覗き込んでみれば狙っているのはウィルミントンのある教会の尖塔。 ……え、ええんかいな……




 高角砲、メリケン的には両用砲群。積めるだけ積んでる感じも受けますが、だが、それがいい。



 後部艦橋。艦橋、というよりは予備観測機器の群れ。



 40o4連装機銃。いわゆるボフォース。我が国的にはうらやまウェポン。



 ちなみにこの艦の周辺、アメリカアリゲーターが棲んでるらしいです。残念ながら実物を目撃することはできませんでしたが、最大の奴は全長12〜13フィートに達してるとか…

 では、艦内へ。内部は順路に従ってみていく形式。現在地図などはありませんでしたが、迷うことはないかと思います。パートごとに最初にどういう施設があるのか列挙してあったりして見逃しもないように配慮されており、それなりに親切設計。



 まずは食堂・厨房なのはお約束… と、なんか片隅にいきなり宗教関係の施設が。まさかこの艦、他みたいに宗教部屋がなくて食堂の一角のこのスペースだけなのか?さすがに神父だか牧師だかがかわいそうだなあ… と思いきや、「普段の宗教活動はこの食堂でやっていましたが、ちゃんと個室もありました。でも展示はしてないのでここにレプリカ置いときますね」とのこと。 …ですよねー。なお、プロテスタントの礼拝(でいいんだっけか)は毎週日曜10時に開催されていましたが、カトリックのミサは1944年春に従軍神父が赴任してくるまでは外から神父が来てくれたときに不定期に開催するだけだった、とのこと。



 厨房。中まで入れるのは結構貴重かも。



 全自動芋洗い機。別にこれで洗ったからといって「ぴゃぁぁうまいぃぃ」な芋になることはありません。ないはずです、多分。



 食った後のトレイ置き場と皿洗い室。



 MAA、憲兵というか警務班の部屋。



 酒保。ノースカロライナの場合艦尾両舷に一つずつ。もう片方は後ほど、艦尾方面の各種設備を一通り見て回ってから。



 ゲダンク、すなわちアイスクリームバーとソーダファウンテン。中に見えてる水の入ってる冷蔵庫は電気入ってますし、その横にあるジュースの機械(これ正式にはなんていうんでしょう?)も生きてるっぽい。かといって一般の来艦者に売ってるわけでもなさそうですが… この艦、近くの住民などにスペースを貸し出したりすることもあるようなので、そういう時のためのものなのでしょうか。



 今立ってるあたりは冷凍庫、というか冷凍室だったようです。肉用3つ、卵とバター用1つ、2つが野菜果物用の冷凍庫と解凍室、さらに製氷機からなるとか。中にいるときはちゃんとサインが出るらしく、閉じ込められる心配はあんまりないっぽい。 …あんまり、な。



 散髪屋。いやそこの影人間氏は別に切る髪ないんじゃ… と思いきや、よく見たら髪の毛も含めてシルエットかしてるっぽい。



 舵の根元部分のメカニズム。



細部だけ見てもなんのこっちゃわけわからないので、概説図を。右の写真が水圧式のギアで、左の写真に写ってるのが動力部、かなあ?



 ちなみにこの人がコントロールしています。



 何の変哲もない、そして金網の影響もあって(そういうことにしといて)やたら見難い倉庫部屋ですが、艦内でうっかりなくした物(衣類等)MAAがここで保管してくれるようです。ただし、取り戻すには罰というかお代として余分に仕事しないといけないという(例:シャツ一枚につき一時間のペンキ塗りや皿洗い、厨房での作業)。この保管場所のことを「ラッキー・バッグ」(福袋?)というらしいです。 …ここらへん、少なくとも建前上は良心的ですね、米海軍。どこぞの島国の海軍だとうっかり物をなくそうもんならバッグどころかバグ、すなわち銀色の蝿かなんかが集ってあっという間になくなってしまいそうなイメージがありますが。まあ、制度上はそうなってるという話と勝手なイメージとを比べるのは不公平通り越して不当ですか。




 印刷室と付属する暗室。ここで刷ってた艦内新聞とか、レプリカを土産物屋で売ってくれたら買うんだけどなあと思いますがどこの艦でも見かけず。やっぱり部外者お断りネタ満載なんでしょうか。




 おなじみ洗濯関係設備。2枚目の写真のパネル、「いやー、せっかくだからこのパンツ以外の服は全部洗っちゃいましたよー」的な笑顔がステキ。



 靴の修理室。乗り組んでいる職人さん(1人)の営業時間は月曜から土曜の8時から11時半と13時から16時。代金は靴底やゴム・皮の踵の修理以外は無料。



 服屋。こちらも営業時間は靴屋と同じ。ただし職人の数は3人。



 職人さん用の寝室もありますが、中には自分たちの仕事場で寝起きしてる人達もいたようです。というわけで上の服屋の写真にもベッドが。



 余暇用のスポーツ用品のロッカー。バットとボクシンググローブが見えます。ノースカロライナは艦内にソフトボール、野球、バスケ、ボクシングのチームを持っており、艦別対抗戦に出場していたとか。我が国の艦だと剣道とか相撲とかですね。



 郵便局。



 ということで、艦尾の諸設備をぐるっと回って反対側(右舷)の酒保まで来ました。このあたりが艦尾のかなり後ろのほう。どれくらい後ろかというと、



 反対側の酒保が見通せるくらいに。 …これ、艦尾に一発喰らったらある意味で継戦能力吹っ飛びますよね。いやまあ、食堂とかある時点でそうなんですけど(笑)。



 さっきゲダングを見ましたが、あそこで供しているアイスクリームを作るマッシーンはこれ。



 何の変哲もない金属のロッカーみたいですが、これがこの艦の雌ぶ…… メカ雌牛、らしいです。なんのことかさっぱり意味不明ですが、つまり新鮮なミルクが切れたときに人工ミルクを作る(粉ミルク的なものを戻す?)機械のようです。だから機械仕掛けの雌牛、と。 …豚? さあ、なんのことやら。



 弾薬を下の層から引き上げる穴というかハッチというか。よく見たら下の方にコインらしき輝きが見えますが、なんか解説板に「さあ、コインを投げて願いを叶えましょう。あ、投げたコインは艦の維持費に使わせてもらいます」とか書いてありました。いや、普通はこういう穴って「なんでかコインを投げる人がいますが、やめてくださいね」と書くものでしょう。ちゃっかりしてるというかなんというか…



 ハッチを使って弾薬を運んでいるの図。なんでマンガ調なのかは不明。



 この円筒が三番砲塔のターレット。



 精肉室。




 映写室。食堂のスクリーンに映せるようです。戦闘態勢にないときは毎晩くらいの勢いでなにがしか上映されていたとか。優雅ですねえ…



 銃後においてきた彼女のことを夢見ながら眠りにつくボブ上等兵ですが、同じ頃彼女の家では… などと色々書くのは大変に悪趣味なのでやめておきましょう。




 トイレ。



 そしてシャワー。「プライバシー? そんなもん、海軍に入った時点でどっかいったよ!」ということで、戦後65年たった今も入浴シーンを公開させられ続けているマーク一等水兵。ヴァイタルパートを隠すコメントの位置はせめてもの情けか、単に見苦しい物を公衆に見せないがための処置か。




 下っ端の方の下士官と上級兵曹の待遇の違い、でしょうか。



 士官用の厨房。調理設備自体はさほど変わりませんが、こちらにはできた料理を上の士官食堂に送るためのエレベーターが。



 おなじみ、ベーカリー。

 とりあえず生活スペースを見終えたっぽいところで区切り。次は機関室とか主砲塔とか、もっとメカメカしいエリアを見る、予定。

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