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※なお、以下の内容は全てこじつけであり、実際にゲームのキャラ名が軍事ネタに由来しているというわけではありません。詳細説明については駄文置き場トップを参照してください。

 第四十四回(2006.3.1)
マブラヴ オルタネイティブにみる帝國海軍他



ネタ要目


タイトル:マブラヴ オルタネイティブ
発売日:06.2.24
メーカー:age
総プレイ時間:25時間くらい
傾向:あいとゆうきのおとぎばなし
お気に入り:彩峰慧
評価:C+〜B+

2000年から2004年にかけて、延期を重ねる大作ゲームがあった。なかでもSNOW、LOVERS、CLANNAD、マブラヴは、その知名度、度重なる延期アナウンスから延期四天王と呼ばれた。(参考リンク:grevグループ - rev:ネタ:延期四天王四天王 - Wikipedia

 …そんな、ユーザーにとっては期待と祭りと怨嗟と諦念と頭痛の種であった延期四天王も、一つ消え二つ消えついに残ったのはマブラヴのみ。ただ一人踏みとどまり、なお数々の伝説を築き続けていたマブラヴも、ついにその伝説の終焉の時を迎えます。2006年2月24日、実にマブラヴ製作発表から5年4ヶ月の歳月が、オルタ製作発表からは丁度3年の月日が流れた時でした…

 …あれ?なんでこんなとっとと消滅して欲しい伝説(延期ダメ、絶対)の終焉を追悼するような論調なんだ? …というわけで、あまりにも長い間待たれ続けた大作の完結編。さあ、やっと、待ち望んだ…

 ……なんか、発売してからも祭りが継続しているのは気のせいでしょうか?

 ま、まあ、それはそれとしてプレイした感想とか。まず、3年前にクリアしたマブラヴのストーリーを思い出すのに時間が掛かったのは仕方がないとして。

 戦術的というか、各シーン、各戦闘毎の演出、描写は流石、長い時間をかけ作りこまれただけのことはあって文句の付け所はあんまりなく。挿入歌とかのタイミングも素晴らしく、なんだかんだいいながら実働二日程度で一気にクリアさせるだけのエネルギーを秘めています。佐渡島ハイブ攻略戦とか横浜基地防衛とか、末期戦属性持ちとしてはもうたまりません。

 戦略部分に当たるような全体の流れ。大筋でいえばまさに王道と呼べるでしょう。そこまで斬新奇怪な話の流れをしているわけではなく、かといって致命的に陳腐にすぎるわけでもなく。何か問題があるとすれば、発売とともに問題となった「グロ画像が〜、グロ画像が〜!」、「既存キャラがバカスカ死んでる〜!」、「…っていうかまっとうなエロシーンがまったくね〜!」…とかいったあたり?

 …第一に関しては、私は別にグロ平気な人間であるということもありますが、割と騒ぎが大きくなりすぎではあるなあ、という感も。結局、一見極めて明白にグロ画像なのは精々2枚程度ですし。だからといって、いくら理解不能の地球外生物相手の戦争だからといってそれを出すことのどこに必然性があったのかはかなり不明ではありますが。

 第二は末期戦なシナリオなんだから、別に仕方がないよなあ、という事で私は別に否定的評価をせず。キャラへの思い入れが長い歳月によって薄められているから、という側面もありますが、ここで全員生存は余計駄目だろうしなあ。

 第三に関しては…あー…入れたら入れたで「なんだこのエロは必然性がね〜!」とかいって文句言いそうなのでスルー。今更エロゲーと銘打った以上、あまねくエロがあるべきである、とは考えてませんし…あれ?

 但し、これらの印象とは別のところで、どうも全体のシナリオが「個別個別の盛り上がるシーンをとりあえず繋ぎ止めるためのつなぎ」くらいの存在価値にしか留まっていないような感がするのが減点対象ではあります。こう、武が拠って立つべきものを見出していくような物語で話の主軸がどうにも見えないというのは、いかがなものか。

 もう一つ感じたことといえば、「口と性格が悪い(ように見える)真田さんが出ずっぱりじゃん」といったことですか。どんなピンチが起きても「こんなこともあろうかと」が常時発動しているように感じ、そこら辺が上述の継ぎ接ぎ感を生んでるのかもしれません。結局のところ、話の流れとしてはぎりぎり中の上〜辛うじて上の下、といった感じかなあ。マブラヴも合わせて考えるともうちょっと別の評価もありそうですが、いかんせん劣化した脳では過去の記憶が…

 政略レベル。なかみいぜんのもんだい。3年…それも、あの態様で待たせ続けた時点で、不可。落第。留年。正直、私はこの3年間で、このメーカーに対して親近感とか信頼感を完全に失いました。で、結果として以上の欠点につき、限りなく悪意的かつ拡大的な解釈をしてしまうことを禁じえません。高々2枚の問題CGで大騒ぎしてみたり、「思い入れのあるキャラを殺せば衝撃を受けたり泣いたりすると思ってんのか馬鹿が」とか思ってみたり、「今回買ってやったのは手切れ金代わりだもう二度とageのゲームなんざ買うか、ていうか潰れろ」とか口走ってみたり。ええだってほら私は暗くて単純で激しやすいそこらに掃いて捨てるほどいる低脳萌えオタですからね? 五月蠅い黙れよ寛容で冷静で高尚ぶった信者と中立を装う事なかれ主義の偽善者が(注:本気でそういう風に思ってるわけじゃないので念のため)。

 …人間誠実に生きた方が良いという教訓を与えたという点で反面教師としては最高でしたけど。

 システム。上述どおり、演出面では流石としか言いようがありませんね。日常動作の流れるような演出はマブラヴでも使われてて結構感動したものですが、今回更に戦闘シーンでそれに磨きが掛かっていて。文句のつけようがありません。

 操作系に関してはバックログから右クリック一発で戻れなかったのはちょっとかったるいなあ、と。他、発売直前に判明したことでCG回想音楽モードなし、という仕様があってこれも色々言われてましたが、回想モードはそもそもそんなシーンが殆どないのでなくてもまあ。CGは、本来のエロゲーとは違う意味で欲しかったよなあ。いや、グロCGが欲しいわけではなく、格好いいメカが、メカが。

 それに付随して音楽。…なんで音楽モードだけでも実装しなかったのかと。切に思う程度の出来。ああもう、勿体無い。…サントラ買う気はないですし。

 CG…というか、視覚的部分。最初は横長大画面に面食らいますね。旧世紀の異物であるところの15インチCRT使用者としては過ぎたるものという感が(苦笑)。でもまあ、すぐに慣れますし、戦闘シーンで真価を発揮したと思います、この横長画面。

 …問題の2枚については、私は言及しませんよ? 

 お気に入り、とかは…うーん…一応前作では彩峰派だったんだけど、今回そういうのとはまたなんか違う感じだからなあ…一応彩峰、という事で。あとちらっとでてきた怖そうな衛生兵…あれ?

 総評。…ここで、「判決主文。出訴期間徒過につき評価の利益なし却下」とか書いたら何言われますかね(苦笑)。…いや、その、あまりにゲームの内容以前のところで悪感情というものが強すぎて。私内武闘派右翼(こんな切腹物奸賊メーカーの作品なんかどんなに取り繕われていても糞だ、糞。天誅!)と私内進歩的知識人(いや、確かにメーカーに対する反感があることは否定しない。だが、作品に罪はない。我々人前で感想を述べる立場にある者は一切の予断を廃し客観的な作品評価を心がけるべきである)が見事ないがみあいを。ああ、最高裁が宗教絡みとかのめんどくさい判断には訴え却下を濫発する理由がよくわかる(そんなことでわかられても)。

 …戯れ言はさておき。当然、政略で負けてるのを戦略で、戦略で負けてるのを戦術でひっくり返すのは至難の業ということで、メーカーに対する悪感情をそのまま反映させたらC+。極力(それでもやっぱり色々と残るのは私メカじゃないんで諦めれ)中立的立場に立った場合、全体のシナリオについて納得してない上記の理由からB〜B+の間くらい。この揺れ幅が今の率直な心境ですね。文句なしのAを与えることも、問答無用のD、F(不可または要追試)を与えることもできない、という。





 マブラヴ オルタネイティブと帝國海軍他

 なお、君望とかで出てきた一部キャラについては略。っつっても茜くらいのもんですけど。

・海防艦屋代、駆逐艦霞(初代、二代) 社霞

 社霞。前作ではあんまり出番がなかった、本編の鍵となる二人のうち一人。無表情色素薄め小型キャラの宿命というか、出自やそれに伴う特殊能力が色々あったり。

 海防艦屋代は群青の空を越えてで既出。「御蔵」型。終戦時、舞鶴に残存。その後賠償艦として中華民国に引き渡され、「正安」に改名。63年廃艦。

 駆逐艦霞はSilhouette、ToHeart2、秋色恋華と既出。初代は英国ヤーロー社製の「暁」型。日露戦争に参加した後、雑役船「霞丸」を経て標的艦に。

 二代は「朝潮」型の一隻。レイテ海戦スリガオ海峡部隊、礼号作戦(ミンドロ島突入)と物凄い修羅場を潜り抜け、大和特攻に付き従った武勲艦。

・駆逐艦榊(初代、二代) 榊千鶴

 榊千鶴。委員長。今作では主人公が強くてニューゲームなせいで、印象がちょっと薄いというか。…冥夜以外の元ヒロインはみんなそんな感じともいえますが…

 駆逐艦榊は巫女さん細腕繁盛記で既出。二代は計画中止になった「橘」型駆逐艦。初代は「樺」型で、このクラスの例にもれず第一次世界大戦において地中海に遠征、Uボート狩りに従事。英国王から勲章貰ったり自身も雷撃を受けて多数の死傷者を出したりと活躍。

・駆逐艦狭霧 沙霧尚哉

 沙霧尚哉。帝都でクーデターを起こした帝国軍大尉。あっちの世界ではいわゆるところの当て馬にすぎませんでしたが、こっちではクーデターの首魁として大活躍。

 駆逐艦狭霧。日本が世界に誇る超高性能駆逐艦、特型の一隻。同級24隻の中では第2グループに属し、主砲塔がB型(後にC型)に換装されています。米側曰くの「我が方の駆逐艦6隻分の価値」伝説とか、日本駆逐艦対水上戦闘力世界最強伝説の立役者の一つであり、太平洋戦争でもほぼ全艦(「深雪」は開戦前に事故で喪失)その航海性能、重武装を持って第一線に。「狭霧」も蘭印攻略に出動しますが、開戦から間もない41年12月24日、ボルネオ島クチン沖で哨戒中に蘭潜水艦「K16」の雷撃を受け沈没。…なんというか、様々な意味でとんでもない日に沈んでるんですね…


 さて、作中の殆どは平行世界での戦争なわけで、ここに使えそうな軍事ネタはやたらと豊富です。全部物凄い勢いで書き連ねてると索引がオルタで埋まってしまい、なにより私の精根が尽き果ててしまいそうなので、ここから先は個別解説は省略気味の総解説スタイルで。

 まずは、作中もっとも身近な兵器であるところの戦術機。概ね、史実におけるジェット戦闘機(あるいは攻撃機もか)とパラレルな発展を遂げ、パラレルな名前が割り振られています。輸送機は史実どおり(アントノフ:型式失念とC-5はでてきたか)なんで、この世界では対BETA戦で役に立たない戦闘機の開発は停滞しきっているのでしょうか。確かに一度あるかないかの近接航空支援の描写もヘリによるものだったし。

 米軍はほぼ素直にF-4ファントム→F-15イーグル→F-15Eストライクイーグル→F-22Aラプターと名前が対応しています。他に、こっちの世界では目下鋭意製作中のF-35、開発中止になったA-12アベンジャーUの名前も新鋭機として登場。
 性能とか実績についてもパラレルであるらしく、F-4は名機ではあるが基礎設計は既に旧式化、F-15は従来の最強機、F-22Aはステルス性を高め、それ以外の部分でも次元の違う強さを見せる最新鋭機という扱い。

 …ということは、名前だけしか出てこないF-35は国際開発(といってもこの世界でそれが出来るのは英国くらいか)でSTOVL性能(戦術機で意味があるのかは知らん)を有する万能機、A-12は奇態なシルエットをした(史実におけるA-12はモックアップ段階で開発中止になっていますが、その機体はほぼ完全な三角形をした全翼機というステキなもの)ゲテモノ機、なのかなあとか妄想してみる。

 さておき、F-35は米国を中心とした国際共同開発で、各国の陸海空軍の要求をこれ一機種でなんとかできるようにしようという(歴史に照らすと結構不安な)コンセプトの下、目下開発中の戦闘機。A-12はA-6イントルーダーの後継機として計画された機体で、アメリカ海軍の計画した現状唯一のステルス機。ステルス性能付与のためにかなり愉快な機体形状(参考)をしていましたが、価格高騰等から91年に開発中止。

 他にも、名前だけは欧州の装備がEF2000とラファール、蘇連の装備がSu-37、Su-47であることが出て来ます。これも現在存在する(試作のみ含め)または開発中の機体まんま。

 EF2000(タイフーン)は欧州諸国が共同開発した戦闘機。国際共同開発の常で仏蘭西が抜けたりなんだったりごたごたがありつつ、そのうちにF-35だのラファールだのの対抗馬も出てきそうでさて、どうなることやら。

 ラファールはそのユーロファイター計画から脱退した仏蘭西が独自路線の元開発している戦闘機。今のところは海軍型が主に生産されているようですね。海外にもセールスしているようですが、あんまり好調ではない模様。

 蘇連機。Su-37は露西亜の主力戦闘機、Su-27(フランカー)の発展型。といっても現実ではデモンストレーターに過ぎなかったようですが。結構人気は高く、割とそこら辺で目にする気がします。

 Su-47(ベールクト)は前進翼を採用した珍しい機体の戦闘機。…ですが、ソ連崩壊で予算がなくなったとか、実は試験機だったとかで結局のところこれも実戦配備とかはされていません。

 なお、当然っちゃ当然ですけど米海軍系の機体は出てきてませんね(A-12と、日本仕様A-6イントルーダー:「海神」は除き)。そもそも空母という概念ないだろうし、戦術機に。あと、米空軍でも何故かF-16は出てないような。いくらほぼパラレルと入っても、そこら辺の開発の流れは若干違うんでしょうか?


 日本。米国製導入からはじまり、結構自国開発している感じ。ただ、それぞれにつき日本風の愛称がつけられていて、そこに軍艦名がちらほら。軍艦名じゃないのもちらほら出てるので統一されたものじゃないですけど。

 まず、日本が独自にF-4J「激震」を改良したのが、「瑞鶴」。いうまでもなく日本でも屈指の幸運艦(というかシールド:姉)にして日本空母最高の殊勲艦。ミッドウェーで「赤城」以下4空母を失った後の帝國海軍の中核として、(時に姉を身代わりにしつつ)マリアナまで無傷のまま奮戦。最後はレイテ沖に囮として消えた艦です。

 次に、米国から導入されたF-15Jの日本側愛称が「陽炎」。初代は日露戦争期の英国製。二代は日本駆逐艦の完成形たる同名クラスのネームシップ。43年にクラ湾で触雷、失われています。

 で、主人公達がはじめ乗っていた練習機(97式戦術歩行高等練習機)が「吹雪」。二代は上述の特型駆逐艦のネームシップ。サボ島沖開戦で敵艦の砲撃により沈没。初代は初の国産駆逐艦「春雨」型。この年代の駆逐艦の例に漏れず、日露戦争に参加して20年代に除籍→廃船。

 主人公達後半の愛機であり、「陽炎」「吹雪」を元に開発された機体が94式戦術歩行戦闘機「不知火」。駆逐艦としては「陽炎」と初代、二代ともに同クラス。初代は戦歴も大体同じですが、二代はもう少し長生きして44年10月にパナイ島付近で米軍機の攻撃により沈没。


 これで空というか陸というかは終わりかな。次は佐渡島、横浜で渋い活躍を見せた海。あと、宇宙。いうまでもなく、元ネタらしきものは艦艇名から。

 この世界では圧倒的な火力となんとかBETAの攻撃を耐えうる防御力を持った戦艦という存在の価値がまだそれほど衰えていないため、海軍の中核は戦艦。ということで、海を押し渡って殴りこむ佐渡攻略戦では帝国連合艦隊が艦砲射撃を惜しげもなく叩き込む勇姿が見られます。……個人的にはここら辺が一番大好きなのですよ(笑)。

 帝国連合艦隊・第二戦隊。中核となっているのが「信濃」「美濃」「加賀」。第三戦隊に「大和」「武蔵」。「大和」「武蔵」「信濃」はひょっとしたら史実の、あの46糎砲搭載艦が生き残ってるのかなあ…可能性としては大いにあると思うのですが。だとしたら、対レーザー防御を施された「大和」型というのは史上初ではなかろうか(宇宙にいったのは知らん)。

「美濃」は完全に架空艦名ですね。「加賀」は…史実では空母に改装され、南雲艦隊の一翼をになった元八八艦隊計画艦「加賀」が改装されずに残っているという可能性もありますが…これも、架空の二代目、かなあ?

 あと、夕呼先生が乗り組んで直接指揮を取るのが重巡「最上」。これも史実の重巡洋艦「最上」が生き残っている可能性があるでしょうか。史実では条約制限逃れのため15糎砲15門搭載の軽巡として竣工→条約失効につき20糎砲10門に換装して重巡→ミッドウェーでの損傷の修理の際に後ろ半分の主砲を撤去して航空巡洋艦へ、とめまぐるしく艦容を変えた「最上」でしたが、この世界では重巡のままなのか航空巡洋艦状態なのか。

 戦艦を差し置いて旗艦となっているところから考えると、不要になった航空儀装を取っ払って、そこに指揮通信設備を載せた指揮艦みたいな形態なのかなあ、とかいらん妄想を逞しく。…流石に戦艦はともかく巡洋艦は同じ名前の三代目かなあ…

 なお、初代「最上」は通報艦。日露戦争後の竣工なので第一次大戦の青島攻略以外には特に目立つ活動はしていません。

 他に佐渡島攻略には米艦隊も出動、これの基幹は「アイオワ」「ニュージャージー」「ミズーリ」「ケンタッキー」「イリノイ」。アメリカが誇る高速戦艦「アイオワ」級から「ウィスコンシン」が欠けた状態ですね。「ミズーリ」は日本の降伏文書調印の舞台としてあまりにも有名。「ケンタッキー」「イリノイ」は史実では建造中止となっています。「ニュージャージー」「ミズーリ」(あと「ウィスコンシン」)は現在博物館となっているので、機会があれば行ってみたいもの。

 もう一度戦艦が登場するのが横浜基地防衛戦。ここでは「紀伊」「出雲」「尾張」が登場。

「紀伊」は作中「大和よりでかい」といわれているので、ひょっとすると50糎砲搭載の超「大和」型とかそこら辺が念頭にあるんでしょうか…もしくは某不沈戦艦(笑)。史実では八八艦隊計画で「加賀」型に続いて計画されたもの(軍縮条約締結により建造中止)。あるいは、一説によると「大和」型4番艦(111号艦)の候補艦名だった、とも。「尾張」も「紀伊」型、111号艦の予定艦名であったとの説がありほぼ同じ。何らかの形で復活させるとしてセットにするのは妥当であるといえましょう。というか、架空戦記なんかでも多々登場。

「出雲」は史実では日露戦争で活躍した装甲巡洋艦なんで、流石にこれは同名架空艦でしょう。

 戦艦はこれで終わり。他に活躍(というか轟沈)が目立つのは戦術機母艦ですね。搭載してるのが戦術機なだけに、空母というよりは揚陸艦的な運用をしているようですが、空母がない世界ではこれが主力となのでしょう。

 登場する艦名は「大隈」「国東」「高尾」。「大隈」「国東」は海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」「くにさき」からかなあ。現実の「おおすみ」型は全通甲板が特徴の輸送艦。ホバークラフトで搭載部隊を揚陸します。99年のトルコ地震に「おおすみ」が、先年のインドネシアの地震では「くにさき」が救援に派遣されるなど、その能力を生かした災害救助活動にも従事。

「高尾」は…「高雄」ならば幕末維新から終戦までの間、4代に渡って使用された由緒正しき艦名ですが、それと同音であるが故に帝國海軍では使用されず。しかし、この世界では戦術機母艦に半島・岬名も山岳名も一緒くたに使われているんでしょうか。それだけ戦闘艦艇といえば大火力大防御力の戦艦と戦術機母艦、あとちょっとだけその他といった程度の分類になってしまっているのか…?

 あと、提督の名前が小沢、武蔵艦長の名前が井口だったので、これは小沢治三郎(中将・最後の聯合艦隊司令長官)と猪口敏平(大佐・最後の「武蔵」艦長)のことか?と思ったものの、「大和」艦長田所の元ネタがわからないのでなんともいえません(田所という名の将官は明治期に一人いるのみ:佐官までは面倒だから調べませんよ?)。「信濃」艦長安倍は阿部弘毅(中将)を無理矢理当てることも可能かもしれないけど。つか、「信濃」は艦長着任云々の前に沈んじゃってますが…

 海はこんなもんかなあ。あ、潜水艦「崇潮」が出てきましたが、もちろんこんな名前の潜水艦は現実にはいません。

 次に軌道艦隊の駆逐艦たち。「ラファイエット」「夕凪」「早蕨」「エイラート」「シャイロー」と次々に轟沈していきましたが、「ラファイエット」は米国「インディペンデンス」級軽空母「ラングレー(二代)」が仏蘭西に供与され同名に改名。他にも現代の仏蘭西フリゲート、米国原子力潜水艦にその名前が受け継がれています。独立戦争、仏蘭西革命と米仏を股にかけて活躍した人物だけに、両国でともにその名を冠してるわけですね。

「夕凪」は初代は「神風(初代)」型。日露戦争終結後の竣工のため、平穏無事な生涯を送って除籍。二代は「神風(二代)」型。44年8月にルソン島沖で米潜の雷撃により沈没。

「早蕨」は日本最後の二等(1000噸以下)駆逐艦「若竹」型、その最後に竣工した艦。はじめは23隻の大量建造が予定されていたため、名前が不足しないよう番号が艦名として割り振られる予定(「早蕨」は第八号)でしたが、ワシントン条約締結で計画中止となったため、めでたく固有名詞が与えられています。同型艦は太平洋戦争でも船団護衛などの任務に従事しましたが、「早蕨」は32年に台湾海峡を航行中、荒天によって転覆、失われてしまいました。

「エイラート」はイスラエルに同名の駆逐艦、コルベット、練習艦などがあり。「シャイロー」は米「タイコンデロガ」級イージス巡洋艦。ここら辺まで来るともう知りません(笑)。

 最後に、最終決戦の名称が「桜花作戦」。日本の悪名高い有人ロケット爆弾「桜花」が元ネタでしょう。高空(というか軌道上)から急降下して敵本拠に殴りこみ、というあたり、まさにその通りですし。
  
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