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※なお、以下の内容は全てこじつけであり、実際にゲームのキャラ名が軍事ネタに由来しているというわけではありません。詳細説明については駄文置き場トップを参照してください。

 第十二回(2004.11.2)
Silhouetteにみる帝國海軍



ネタ要目


タイトル:Silhouette
発売日:2004.10.1
メーカー:CDPA
総プレイ時間:8時間くらい
傾向:ADV
お気に入り:水無瀬唯、神月明日菜
評価:B+

 クールというか鈍感な主人公がある日突然学園のアイドルに興味をもたれる学園物…っていうとなんかどんな学園物も大体同じような気がしてきますが。特筆すべきは主人公の容赦無きまでの鈍感さでしょうか。なにしろバレンタインのチョコを「もらう理由がない」とかいって突き返すのはさすがにどうかと思います。
 エロゲーにおいて主人公がうじうじ悩むのはまあいつものことですが、この主人公の悩み方はなかなか重症ですね。特にメインルート(主人公の過去とかに関わりのある人たちのルート)で明かされる主人公の過去のヘタレっぷりはある意味必見といえるかもしれないようないやそれはさすがにないか。
 というか、ヘタレというかダメな意味でもう暴走全開というか。普段くらい奴がキレると怖いですね、の典型例。

 CG。まあ、不可はなく、かなあ。ちょっと塗り方が独特というか、平面的?いやまあどう塗ろうと二次元なんですけど。なんだか、眼の塗り方がやや「ビー玉眼」に近い(いやさっぱり陵辱ゲーじゃないですけど)ような気がしなくもない…

 ああ、あと最近では珍しくボイスなしです。声に関して私はあんまりこだわりがないので特に問題なしですが。

 萌えキャラ。神月明日菜。主人公の担任の先生。さっぱりした性格で生徒への人気がある美人先生。その時折(しょっちゅう)見せるお茶目さがもう最高です。次点で水無瀬唯。先輩で大財閥の高級メイド(なんかやらしい言い方だなあ。高性能メイドだとでもセリオになるし…)。次点というか同率くらいですけどね。
 ってこのゲーム何気に年上率高いよな…学園物なのに…年上確定がもう二人に年上っぽいのが一人…麻弥しか完全に同い年確定がいない…

 総合評価は中の上。佳純シナリオ以外は大体中、かなあ。佳純シナリオで加点して主人公が趣味に合わなかったから原点な感じ?





 Silhouetteと帝國海軍

・重巡洋艦摩耶、砲艦摩耶 柚月麻弥  

 柚月麻弥。主人公にチョコを渡して突っ返された哀れな被害者。強気でジェラシー全開な学園のアイドル。

 砲艦摩耶は明治の小型砲艦。国産で同型艦が4隻ありますが、建造時期によって使用された建材が異なり、最初に建造された「摩耶」は鉄製です。日清日露戦争に参加した後1908年に除籍され雑役船、その後1911年には内務省に移管されて兵庫県港務部検疫番船として使用。さらに民間に払い下げられて商船「摩耶丸」となり1930年代まで使用されました。1888年竣工なので50年近く働いてるんですね…

 重巡洋艦摩耶。その現代イージス艦もかくやと思われる馬鹿でっかい艦橋がトレードマークの「高雄」型3番艦。いくらなんでも大きけりゃいいってもんじゃないわけで、1番艦「高雄」、2番艦「愛宕」は開戦前に艦橋の縮小他の改装を受けて戦争に突入していますが、「摩耶」と「鳥海」はローテーションの都合から改装されないまま戦争に突入します。アリューシャン作戦、南太平洋海戦や第二次、第三次ソロモン海戦に参加した後爆撃で損傷、ここで内地に帰って修理がてらやっと改修してもらえることになりました。
 その改修とは3番主砲の撤去による機銃台増設を含む対空兵装の強化。もうこのころになると主砲による対水上攻撃力よりも襲いかかる航空機の脅威から身を守る防空火力のほうが重要になっていたんですね。
 ただ、同時に水雷兵装が強化されて対水上攻撃力の穴埋めがされているのがさすが帝國海軍といいましょうか。確かに(誘爆さえ考えなければ)魚雷のほうが威力ありますし。やっぱり日本といえば魚雷ですから。

 「摩耶」はこの状態で他の姉妹達とともにマリアナ沖海戦、レイテ沖海戦に参加。このレイテ沖海戦で「愛宕」「摩耶」が潜水艦の雷撃で沈没、「鳥海」がサマール沖の混戦の中で沈没。「高雄」を除く三姉妹が枕を並べて討ち死にしてしまったのでした。


・駆逐艦霞(初代、二代) 一条佳純  

 一条佳純。主人公のお姉さん。…まあ、エロゲーにおいて主人公の姉とか妹なんてのはいわゆる広義の姉がほとんどなわけですが、この人はそれすらも越えたなかなかに複雑な経歴のお方。一応裏ヒロインなのかなあ。

 駆逐艦霞。初代は「暁」型で英国のヤーロー社製駆逐艦の第二陣。第一陣の「雷」型に比べて少し大型化していますが、武装は変わっていません。旅順港閉塞、日本海海戦に参加した後1913年除籍、雑役船をへて標的艦に。
 二代は「朝潮(二代)」型の一隻。「ちっちゃなボディに色々満載」コンセプトで作ろうとがんばったけれどやっぱりダメだった「初春」「白露」両型の失敗を踏まえ、また軍縮条約の失効も見越して久方ぶりに建造された大型駆逐艦で、航続力がやや小さいことを除けば後の決定版「陽炎」型につながるものでした。
 「霞」は緒戦の各作戦からミッドウェー海戦に参加後、キスカ島で潜水艦の雷撃により船体前部を切断するという大被害を受けながらもかろうじて修理に成功、さらにレイテ沖海戦であの地獄のスリガオ海峡からも辛うじて脱出という土壇場の強運を発揮しつつ、木村少将の率いるミンドロ島殴りこみ部隊の旗艦に選ばれます。この作戦は重巡「足柄」、軽巡「大淀」、駆逐艦6隻で米軍の上陸したミンドロ島に砲撃をかけるという、普通に考えたら特攻一歩手前というか文字通り殴り込みな作戦でした。
 しかしこの艦隊を指揮するのは幸運をもってなる木村少将。もちろん幸運だけなわけではなく指揮よろしきもえてなんとこの作戦は「清霜」一隻の沈没のみの損害で成功してしまいます。そしてこれが、帝國海軍の挙げた最後の勝利となります。さらに以前「日向」の項でも書いた北号作戦に参加、これも戦争末期に成功した数少ない作戦として戦史に名をとどめています。
 そして1945年4月の大和特攻。数々の武勲に輝く「霞」も、繰り返し襲ってくる米軍機の前についに力尽き航行不能になったところを「冬月」の魚雷で処分されました。


・軽巡洋艦水無瀬、海防艦水無瀬 水無瀬唯  

 水無瀬唯。萌えキャラのところでも書きましたが、先輩で大財閥のメイドさん。しかし、メイドさんなのにそんな金持ちの事務やら経理一切を取り仕切るというのは一体どういうことなんでしょう…それ既にメイドの仕事じゃねーよ。

 軽巡水無瀬、海防艦水無瀬…は両方、3回とも予定艦名のみ。一度目は「長良」型軽巡6番艦の候補艦名でしたが、実際に選ばれたのは「阿武隈」。再び「川内」型軽巡5番艦の候補艦名にあがるも今度は八八艦隊計画がワシントン条約で流れてしまったため「川内」型も3隻で打ち切り。三度目の正直で今度は防予初頭の水無瀬島から取って(今までは軽巡なので淀川支流の水無瀬川。宗祇の連歌、水無瀬三吟百韻の詠まれたあたりですか)甲型海防艦として計画…ですが、これも戦局の逼迫により中止。つくづく運がないというか、誕生すらできない名前です…
 ただ、いくらなんでもあんまりと思ってか思わないでか戦後の海上自衛隊が「からと」型掃海艇の一隻を「みなせ」と命名しています。これは島名のほうが由来ですね。


・砲艦二見 二見有紀

 二見有紀。2002年の主人公のクラスメート。女は怖い。うん。それすらも主人公には通用しなかったのですが…

 砲艦二見。昭和2年計画の「熱海」型河用砲艦。前作「勢多」型の経験を踏まえ、小型化、また日本国内で建造して大陸へ回航する(それまでは現地で組み立て)ための外洋航行能力の付与など、従来のイギリス式から脱却した日本独自の設計となっています。長江の哨戒活動に従事して上海で航行不能の状態で終戦を迎え、国府軍に接収され「永安」と改名。その後共産党軍と交戦中に投降、1960年代まで使用されました。


・航空母艦赤城、砲艦赤城 赤城徹郎  

 赤城徹郎。主人公の家の周りでなんか事件の捜査をしている刑事…その正体は主人公の本職の先輩。

 砲艦赤城は上述「摩耶」の同型艦。戦歴も似たようなもので、1911年除籍後(「赤城」は軍から直に)払い下げられて貨物船「赤城丸」になったのも大体同じですが…なんと台風での沈没が1945年9月。終戦直後の船舶不足のせいでしょうか、修理して復帰した矢先の1946年にまた触雷沈没。多分この機雷B-29に撒かれたブツですよ…
 しかもまだ「赤城丸」の人生は終わりません。なんとまだ引き上げられて修理され、まだまだ使われます。この時点で艦齢既に56。さらに7年使われて1953年にやっとこ老朽化で解体。軍役から退いていたとはいえとんでもない長寿艦でした。

 航空母艦赤城。説明の必要もないような気がする真珠湾攻撃部隊旗艦。そしてミッドウェーの悲劇の4空母の一隻。もとは八八艦隊の巡洋戦艦として建造されていたものが、ワシントン条約の結果空母改装で保有を許されました。まだ空母の儀装についての定式の確立していない草創期の艦だけあって、竣工時は三段飛行甲板に20センチ連装砲&砲郭という後世の眼から見ればトンデモ艦一歩手前の外見でしたが、実際の運用の中で色々と不具合が修正され、最終的には全通一段甲板の(信濃完成までの)日本最大級の空母(排水量と全幅で「加賀」に少しずつ劣り、全長で少し勝る)として日本機動部隊の中核をなします。ただ、最終改装時でも左舷中央に艦橋が配置され(「赤城」以外には世界でも「飛龍」のみ、20センチ砲が艦尾に残されるなど)、よく言えば草創期の試行錯誤の結果が残り、悪く言えば古臭いところが残っています。

 開戦後の活躍に関してはいまさら書くこともないですね(笑)。「ニイタカヤマノボレ」を受信して真珠湾に米戦艦群を屠り、南方作戦支援でオーストラリアまで空襲してさらに印度洋で英軍相手に大暴れ。最強機動部隊の旗艦として太平洋に君臨した後…運命のミッドウェーで米艦爆の爆撃を受け大破、駆逐艦「嵐」、「野分」、「萩風」、「舞風」の魚雷によって処分されました。