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※なお、以下の内容は全てこじつけであり、実際にゲームのキャラ名が軍事ネタに由来しているというわけではありません。詳細説明については駄文置き場トップを参照してください。

 第十五回(2005.1.20)
ToHeart2にみる帝國海軍



ネタ要目


タイトル:ToHeart2
発売日:2004.12.28
メーカー:AQUAPLUS(PS2)
総プレイ時間:4〜3×8時間
傾向:ビジュアルノベル
お気に入り:小牧愛佳、向坂環、柚原このみ…やっぱ全員
評価:A+

 世間にロボ萌えとかいろんなものをもたらした、この隔離された世界における金字塔の一つ、ToHeartの続編。前作から大体3年後の話(某スレ調べ)ということになっており、直接繋がりのあるキャラは出てきませんが、かつていた先輩、あった部活に関する噂話の中にある人の影があったりなかったりします。
 しかし…だとすると1996年第一作だから、今作も1999年、前世紀のお話だったんですね…まあ、携帯とか出てこないならそれくらいの時代が妥当なのかも…
 …ToHeart新アニメ版…いえ、なんでもないです。あれにも双子とかゲストで出てましたけど。

 少し長くこの界隈にいる方なら常識であるとは思いますが(2.14事件とか8.15事件とか)、続編とはいえスタッフは大幅に変わっています。…とはいえ、投入されているのは今のところこの世界における米国であるといっていいみつみ女史をはじめとする東西リーフの全戦力。そのことに関する不満なんかはあろうはずもなく。後述しますが前作から流用(というと響きが悪い)した音楽群がいい感じに作用していることとあいまって、正統後継として恥ずかしくないものであると思います。しかし、Leafはかなりなどん底からよくぞここまで持ち直したなあ…

 システムとかに関しては別に何を言うこともなく、素直にターゲットをロックオンして最適な攻撃兵装を選んでおけば問題なし。何か表現が物騒ですがここはそういうサイトですあしからず。若干セーブがとろいとか(ジャンルがジャンルだけに対比がどうしてもPCになってしまうのでしかたないっちゃないですが)、メッセージ速度/スキップの調整が不親切とかの進化してなさすぎな面はありますが、ぎりぎり許容範囲でしょう。

 シナリオとか。非常に「青い」王道な学園恋愛物。…いや、ToHeartなんだからそうでなくてはいけないのですが。でもって王道でありながらなんだかヘンなキャラが紛れ込んでいるのもまたお約束。
 これだけの規模のゲームなんで必然的にといいますか、シナリオライター、原画担当は複数制です。原画はいずれ劣らぬ無敵艦隊なわけですが、ややシナリオは書き手の力量なのかなんなのかばらつきがあったような気がします。後半の投げっぱなしが目につくキャラとそうでないキャラの差が特に対照的に浮かんできて、それが一部キャラについて非常にもったいないことになっているのが残念なところ。例えば、タマ姉のお邪魔虫三人組の末路とか、るーこ、草壁さんのエンディングとか特にそれが顕著ですね。

 CGとか…ええっと、文句をつけられるわけがないでしょう?

 音楽。前作の流用、アレンジが多数あったわけで、そういう点で手抜きと評されても仕方ない面はあると思います。
 ただ、そこで酷評できないのはその流用された曲がいずれ劣らぬ名曲であるという客観面と、その曲たちがかつて使われた前作への自分の思い入れが喚起されるという主観面。凡百の曲の流用ではなく、「反則」として是認(矛盾してる気もしますが)せざるをえないだけの理由があるといっていいと思います。とくにFeeling Heartの投入されるタイミングなんかは正直卑怯だと思いました。ああ、あの懐かしき前作まで投入して感動させてきますか…
 もちろん前作やってない人が聴いても実にいい音楽であることは確実です。

 萌えキャラ。小牧愛佳。通称いいんちょ。端的にいって最強。久しぶりに一挙手一投足で萌え転がった恐るべきキャラです。そしてタマ姉。このお方も個艦スペックで言えば最強でしょう。ただ、惜しむらくは前述どおりシナリオがやや物足りなかった点。このみもあの小犬っぷりが素晴らしく保護欲直撃です。この3人はまさに傑出したスペックを誇りますが、由真、ルーシー、優希、双子、花梨も水準をかなり越えた性能を持ち、非常にレベルが高いと思います。そして残念ながらサブキャラになってしまったメイドロボ、イルファさんなんていうのも登場期間の短さを考えるとすごい威力ですし。
 萌えではないですが主人公の親友、雄二がいい味出しています。「主人公の親友が好感持てる奴であるとき、そのゲームは名作である」の法則にしっかりのっとっていますね。

 総合評価は上。前作の名に恥じぬ王道・直球・ど真ん中。これぞギャルゲー、という雰囲気のものをやったのも久しぶり、それでいてこのクオリティ。さすが、としか言いようがありません。
 若干マイナス面はやっぱりキャラによってシナリオに差があることでしょうか。これは前作もそうだったわけですが、ライターさんが複数いることの弊害というかやむをえない面ではあるのですが…タマ姉シナリオとか、もうちょっと深かったら最強無敵だったのになあ…あと、隠しキャラの草壁さんあたりも…





 ToHeart2と帝國海軍

・軽巡洋艦多摩 タマ姉(向坂環)  

 タマ姉こと向坂環。あだ名投入はちょっと卑怯臭い気もしますが、作中本人も誰も本名なんて呼んでいないのでまあアリにしてください。
 主人公の親友、雄二の姉。完璧、そういろんな意味で完璧なお姉さま。個艦スペックとしては文句なしに最強クラスであると断言します。ああ、私も尻に敷かれたい。好き好き大好きタマお姉ちゃん。
 …見苦しい解説ですなごめんなさい。要はそれだけめっちゃええよ、と。

 軽巡洋艦多摩。八八艦隊計画で整備された、いわゆる5500トン型軽巡洋艦の一隻。36ノットの高速を発揮して水雷戦隊を率いる姿が連想される艦種ではありますが、日本海軍にしては珍しくというか武装は控えめ(いや、比較対象が何かおかしい「夕張」とかというわけではないにせよ)で、その分余裕があったらしく、1920年代の艦でありながら開戦時にはまだこのクラスが軽巡の主力をつとめ、さまざまな任務に従事。「多摩」は旧式化しつつある5500トン型の中でも最古参の「球磨」型という事もあってか、姉妹艦「木曾」とともに主にアリューシャン方面で活動。アッツ島海戦やキスカ撤退作戦に参加しています。そして、既に我が方の手駒底をついた1944年、南方へ転進してレイテ沖海戦へ。小沢囮艦隊の護衛として生還の見込みのない任務に出撃、エンガノ沖海戦で敵機の雷撃を受け脱落、単艦呉へと離脱するところを潜水艦「ジャラオ」に雷撃され、わずか五分で沈没してしまいました。


・駆逐艦霞(初代、二代) カスミ  

 カスミ。タマ姉シナリオで九条院から転校してくる三人娘の無口な人。外見的には高性能ですが出番も台詞も無いに近いのが残念。

 駆逐艦霞はSilhouetteで既出。二代は大和特攻に付き従った艦です。


・(海上自衛隊)警備艇ひめゆり 姫百合珊瑚、瑠璃  

 姫百合珊瑚、瑠璃。ほわ〜んとした姉、珊瑚とアグレッシヴな妹、瑠璃の双子姉妹。関西弁担当…といってもどうもイントネーションに違和感があるわけですが…特に瑠璃…さらに、百合属性(瑠璃)にメイドロボ開発能力(珊瑚)まで備えるというとんでもない姉妹です。彼女らとのエンディングはある意味必見、かも。

 警備艇ひめゆり。海上警備隊発足時に米軍から大量(53隻)に供与、貸与された元・上陸支援艇(LSSL)。「ひめゆり」はLSSL-443の後身です。
 基準排水量高々250トンと、かつての世界三位の大海軍の後身の基幹としては涙を禁じえないものがありますが、彼女らがあってこそ今のイージス艦まで装備する堂々たる護衛艦隊を擁する海上自衛隊がある、といえましょう。
 「ひめゆり」は 昭和28年8月29日貸与、昭和33年8月29日返還。


 日本海軍ではなくライバルの米海軍ネタですが、今回判明した来栖川もう一人(というかもう一つのポスト)の執事、ダニエル。さすがにこんなありふれた名前だと個艦名を出すと死にますので(駆逐艦を中心に泣くほどいました)、わが帝國海軍の一大建艦計画、八八艦隊と張り合う、米国が策定した建艦計画の名前がダニエルプランについてちょこっと。当時の海軍長官の名前が元になっているわけです。
 八八艦隊に関してはさらりとだけ触れておきますと、隻数的にはそれなりの勢力ではあるものの旧式化したりロシアからの捕獲艦が一杯いたりで実際の戦力としては劣勢になりつつあった海軍を、戦艦8隻、巡洋戦艦8隻をはじめ補助艦艇まで一度にかつ最新鋭のものにリニューアルしてしまおうという大プランで、実現したら世界でも有数の海軍と物凄い維持費が同時にやってくるという壮大極まりない計画でした。上述の「多摩」なんかもこの計画の一環ですね。
 米海軍のダニエルプランは八八艦隊計画より一年早く(八八艦隊計画は八四〜八六と年を追うごとに拡張されているので正確ではないですが)1916年から開始と計画されたもので、これには1914年のパナマ運河開通によって艦隊運用の自由度が大幅に上がったことなんかが絡んでいると思われます。1919年までの3ヵ年で戦艦10、巡洋戦艦6、巡洋艦10をはじめ155隻を整備するという大建艦計画でしたが、第一次世界大戦参戦による駆逐艦などの量産によって計画は遅延。結局、戦争が終わってやっと計画を再開しようとした矢先にワシントン海軍軍縮条約が締結され、海の向こうの八八艦隊計画と運命をともにして中止、建造中の大半の艦が解体されました。
 条約締結時点で完成していた艦は「メリーランド」だけですが、日本が「陸奥」を完成させる(日本は完成していると主張していましたが)代償として「コロラド」「ウェスト・バージニア」が保有することを認められ、また空母への改造枠で「レキシントン」「サラトガ」が建造されています。日本の生き残りは「長門」と前述「陸奥」、空母になった「赤城」「加賀」ですね。
 で、計画されていた戦艦群ですが。計画値的には、「レキシントン」型の40.6センチ×8、35ノットは恐るべき数字ではあるものの、数の上で多数の「サウス・ダコタ」型の23ノット、「コロラド」型が21ノットと全艦26〜30ノットを出す(予定)のわが八八艦隊に比べるとやや設計思想が古臭い、と見るのはやっぱり贔屓目でしょうか(苦笑)。まあ、速度が速いから斬新で強い、というわけではないのですが。どちらにせよ空母機動部隊持ってようが戦艦部隊持ってようが国力の違いで戦う前から負けてるわけですし…維持することがそもそも厳しい、なんていう話もありますし、八八艦隊…


 あと小ネタとしてるーこシナリオにて、「シャーマン」(巫女、神官:ええ個人的には前者が標準設定ですよ文句ありますか?)という単語の意味説明で、「75ミリまたは76ミリ砲装備、後期には105ミリ砲装備型もあり。イギリスに引き渡され17ポンド砲を装備した型はファイアフライと呼ばれる。びとまんもびっくり」なんていうネタがでてきます。アメリカが大量生産し、後に日本の陸上自衛隊も装備したM4シャーマン中戦車系列のネタですね。いきなり出てきてかなりびっくりしたのですが、「いかにるーこの地球に対する知識が偏っているか」の傍証みたいな感じなのでさもありなん。
 言わずもがなのことですがびとまんは件のファイアフライにしとめられた独逸の戦車エース、ミヒャエル・ヴィットマンSS大尉のこと。生涯成績戦車138輌、火砲132門。
 なお、シャーマン戦車のシャーマンは(直接的には)巫女さんとかに由来するわけではなく、南北戦争時の北軍の将軍、ウィリアム・シャーマンに由来します。
  
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