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※なお、以下の内容は全てこじつけであり、実際にゲームのキャラ名が軍事ネタに由来しているというわけではありません。詳細説明については駄文置き場トップを参照してください。

 第十一回(2004.10.10)
夕緋ノ向コウ側にみる帝國海軍



ネタ要目


タイトル:夕緋ノ向コウ側
発売日:2004.10.1
メーカー:BaseSon
総プレイ時間:8時間くらい
傾向:伝奇
お気に入り:諏訪静香
評価:B+

 そのバックグラウンドから「いやあこれはダメだろう」みたいな評価を発売前から下されつつ、蓋を開けてみたらそれなりの佳作に仕上がっていたONE2を作ったメーカー、BASESONの三作目。ONE2、屍姫と羊と嗤う月と続く慣例どおり、ちょっと伝奇が入ってダークが入った学園ファンタジー。学園に伝わる都市伝説に巻き込まれた主人公とヒロインがトラウマを乗り越える物語。

 えー、正直なところ前作での「黛事件」(あるヒロインだけ激烈無比な鬱シナリオで、かつ何の事前情報もなしに真っ先にその子を攻略しちゃって精神的に大被害)がちょっとトラウマになっていて微妙にプレイが怖かったのですが、とりあえず今回は大丈夫。
 大丈夫とはいうものの、基本的にダーク系なわけで「トラウマを乗り越える」といったように基本的にヒロイン全員心の傷を負っています。でまあ鬱シーンも多々あるのですが、夢とかそういう細工でオブラートに包まれていた(いや、そうでもないかもしんないけど)のでまあ許容範囲内の打撃で収まったかな、と。
 まあ言い換えればそれだけ「薄い」物になっているかもしれませんが。薄いといえば、「都市伝説ファンタジーノベル」と銘打ちながらやや都市伝説の使い方が甘かったかなあ、と。都市伝説といえば伝播したり変容したりしていった過程を解明するのが楽しみだと個人的に思うのですが、そういう風に使われることもなく謎解きの仕掛けとしては使いこなせてないような気がしました。

 CG。片桐氏の絵もONE2で見たときはずいぶん癖がある思ったけど今では割と支持するようになっていたり。きめ細かいというのかなあ。

 音楽。ここのブランドのOPは三代続けて個人的に好きです。ONE2の夢幻譜は電波系を除く私内エロゲーソングランキングの上位にいまだ残っていますし。こういう曲が好きなのかなあ、自分。どういう分野なのかは音楽に疎くてさっぱり知らないのですが。

 萌えキャラ。諏訪静香。ポニーテールでクールな巫女さん。しかも最後にはツンデレ属性があることさえ発覚。…私が萌えない要素がどこにあります?

 総合評価は中の上。「伝奇系でこじんまりとまとまった佳作」といった評価ですね。前作の「しきわら」はライターさんの違いもあってヒロインごとに極鬱からほのぼのまで方向性が違いすぎて散漫すぎた印象がありましたが、今度は逆に小さくまとまりすぎた感があるかな、と。そこら辺の舵取りは難しいところでしょうが…





 夕緋ノ向コウ側と帝國海軍

・航空母艦信濃、仮装巡洋艦信濃丸 貝塚(戀塚)信乃  

 貝塚(戀塚)信乃。主人公達の学園に赴任してきた臨時の現国教師…というのは仮の姿で、実は超常現象から社会を守る公安の秘密機関の一員。普段のほんわかした雰囲気と本来の任務時の無表情のギャップがステキなお姉さんです。で、本来の苗字が戀塚。恋の旧字ですね。

 航空母艦信濃。「大和」型三番艦として建造中(というか放置中)にミッドウェー海戦が起こり、喪失空母の穴埋めに空母に改装された、建造当事世界最大の空母。元がむちゃくちゃな防御力を持つ「大和」型であるために、その防御力は空母離れしたものであることが期待され、その結果前線に進出して敵の攻撃に耐えつつ後方の味方空母からの攻撃隊の中継拠点として、いわば洋上基地として運営する構想があった、などといわれます。
 それが影響しているのかどうか格納庫が一層(日本空母は大体二層)で、搭載機数が47機と少ない、というのもこの艦の特徴といえるでしょう。もっとも、でかさがでかさだけに甲板上にズラッと露天繋止したら楽しいことになりそうです。まあ、上記の運用構想を考えるとありえない姿ではありますが。

 ところが、「信濃」が有名なのはその「でかさ」「硬さ」だけではなく、というかその「でかくて」「硬い」はずの艦が「竣工から十日で沈んだ」というあっけなさにあるのではないでしょうか。
 これはむしろ竣工からすぐだったからこそ沈んだ、ともいえそうですが。なにしろ船体は同型の「武蔵」がシブヤン海でその頑丈さを証明しており、たかが一本の魚雷で沈むわけがないのですから。「信濃」の悲劇は竣工まもなく、乗組員も慣熟していない状態での回航中に潜水艦につかまってしまったというところにあるでしょう。いくらちゃんとした手当てをすれば平気な軽傷でも、手当ての仕方すらわからなければ場合によっては命を奪ってしまう…としかいいようがありません。
 しかも、更なる不運というか撃沈した潜水艦の艦長には「隼鷹」型一隻撃沈と誤認報告までされる始末。間違いなく日本の艦艇不幸度ランキングでは五位にはランクインするでしょう。

 なお、沈没時には「桜花」をついでに輸送していたとか、局地戦闘機「紫電改」の艦上型が離着艦のテストをしたことがある、というのも有名エピソードといえるでしょう。

 仮装巡洋艦信濃丸。仮装巡洋艦というのは(あくまで商船としては)優秀な商船を重用して武装を施し、通商破壊や索敵に活用するもので、当然正規の軍艦に比べたらその戦闘力は無いも同然ですが、航空機が発達するまでは遊撃戦力の一翼を担っていました。第一次世界大戦での独逸の通商破壊部隊の活躍なんかは有名ですね。
 さて、「信濃丸」。日本郵船の貨客船で、日露戦争に参加。この戦争では(というか以後も本格的にすることは無かったですが)相手が相手だけに通商破壊などの作戦がとられることも無く(むしろ日本が苛められるほう:これもまた以後も以下略)、こういった艦はひたすら哨戒任務に従事して遠路はるばるやってくるバルチック艦隊とファーストコンタクトをとることが命じられていました。そして1905年5月7日、「信濃丸」がそのお出迎えをすることになります。このとき発せられた無電が有名な「敵艦見ユ」。そして、聯合艦隊は報告に従い対馬沖で敵を迎え撃ち、見事これを撃滅します。実戦部隊の活躍もさりながら、撃沈されるかぎりぎりの状況の中無電を発した「信濃丸」、また交代して触接を続けた巡洋艦「和泉」なども陰の殊勲艦といえましょう。
 その後の「信濃丸」は老朽化して売却され、蟹工船に改造されたりしつつも生き延び、ソ連からの引揚げ船の最終便を務めたあと、1951年に解体されています。1900年竣工ですから、このとき艦齢実に51。自らが帝國海軍の栄光の立役者であった殊勲の脇役は、栄光の終わりまで見届けてからその生涯を終えたのでした。

 …と、日露戦争時の艦艇って意外に敗戦まで残っていて「海軍の終わりを見届けてから解体」が多いなあ…老朽化が激しいから第一線ではどうあがいても使えないからだとは思うのですが。ちょっとワンパターンを反省。


・戦艦諏訪 諏訪静香  

 諏訪静香。主人公のクラスメートでポニーテールでクールな巫女さん。お約束のように特殊な能力があってそれが心の傷の原因だったりします。最後のツンデレっぷりは実にすばらしいと思うわけですええ。

 戦艦諏訪、というのは厳密には存在しません。戦艦「香取」の候補艦名ですね。
 で、戦艦「香取」。日露戦争直前に英国に発注された準弩級戦艦。英国の「キング・エドワードVII世」の準姉妹艦で、30センチ主砲連装二基は「三笠」などと変わりませんが25.4センチ中間砲の搭載、主砲、副砲の砲身長延長などで強力な火力を誇る当時の最新鋭艦でした。
 もっとも、必死こいて作らせはしたものの竣工は1906年。日露戦争には間に合いませんでした。ただ、「香取」が完成したころには開戦前に6隻を誇った我が戦艦部隊も「八島」「初瀬」の触雷沈没、「三笠」の爆沈事故(1905年9月11日)で半減しており、「香取」と同型艦「鹿島」が完成したことはかなり心強いニュースであったようです。

 その後は例によって第一次世界大戦で警備なんかに出たものの、特に目立つ活躍をする場所も無くワシントン条約で解体。

・光(航空機用発動機) 光野慎太郎

 光野慎太郎。主人公の友人にして膨大な知識の持ち主、オカルト研究会の部長。実は事件の発端の人であるとか。わざわざここに書くのもその発端の時点では「光の慎太郎」と呼ばれていたということで。

 光発動機。
 中島製。空冷単列9気筒。600〜700馬力程度の出力で、九五式〜九七式あたりの艦上機に搭載されています。開戦の一世代前程度の母艦航空隊のメインエンジンなのでしょうか。
  
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