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ばっくとぅとっぷ


ノーフォーク 戦艦ウィスコンシン、マッカーサー記念館 9月14日(火)





 ということで、昨日休館日だったウィスコンシンリベンジ。ダウンタウンから徒歩で行ける、というかもうダウンタウンの真横にある戦艦というのはさすがにここくらいのものでしょう。空母でいうならニューヨークのイントレピッドもそんな感じですが、あちらは街そのものがでかい分中心部からはバスを使うなりのそこそこの移動距離がありますし。

 …ただ、そのイントレピッドでも感じたことですが、どうやらこの国で公開されている大型艦船に関しては(まだ空母についてはミッドウェー、戦艦については南部のアラバマやテキサス、真珠湾のミズーリ(ミズーリは公開範囲がそんなに広くないっぽいとネットで見た訪問記を見る限りではありましたが)を訪れていないのでこれが絶対だ、というわけではないのですが、少なくとも東海岸+サンフランシスコのホーネットで見る限り)、「市街地に近ければ近いほど艦内の公開される区画は少なくなる」という法則があるようです。具体的にはイントレピッドは格納庫甲板と飛行甲板の他は若干の艦内スペースしか公開してませんでしたし、このウィスコンシンに至っては甲板上を歩き回れるだけで、艦内スペースや艦橋に全く入れませんでした(後者についてはひょっとしたらツアーなどがある可能性はあり)。

 そんなわけで若干脱線しますが、東海岸の4戦艦の訪れやすさや内部公開度を比較してみると、

拠点となる都市からの行きやすさ:ウィスコンシン>ニュージャージー≧ノースカロライナ(そもそも街への行きやすさでニュージャジーよりやや劣る)>>>マサチューセッツ

内部公開度:マサチューセッツ=ノースカロライナ>ニュージャージー(砲塔、機関室などへ入るには有料ツアー参加の必要あり)>>>ウィスコンシン

 …となる、かなあと思います。結論からいうと比較的てっとりばやく戦艦を細部まで見たいならニュージャージーが一番バランスが取れていて、移動の手間をもう少しかけていいならノースカロライナかなあと。少なくとも、このノーフォークの場合むしろ軍港遊覧がメインでウィスコンシンはあくまでおまけと考えたほうがいいかもしれません。

 あ、空母だと… というかミッドウェーはまだ行ってないのでエセックス級3隻のうち、だとホーネット一押し、ですかね。街からの訪れやすさという点ではイントレピッドの方が有利ですが、そもそも西海岸と東海岸という時点で大いに差がついてますし、内部の公開度についても前述のとおりですし。



 さておき戦艦ウィスコンシン。アイオワ級4番艦、つまり今のところ米海軍が最後に起工した戦艦(進水、就役は3番艦とされるミズーリの方が後)。ミズーリ以外の各艦は名前の由来となった州にそれぞれ引き取られていますが、そもそもウィスコンシン州は五大湖に面した内陸地方であるためこんなところで展示されています。 ……あ、ひょっとして内部公開度の違いって街からの距離じゃなくて展示されている街(というか州)と艦との名前的関わりの強弱にもよる? ……なんていう可能性にも今気づきましたが、ややこしいので思いつかなかったことにしておきましょう。



 ノースカが喫水線ほぼちょうどあたりの状態で展示しているのと対照的に、妙に喫水が浅い状態での展示。



 真正面から。喫水が浅すぎるからなのとただでさえ細い胴体とが相まって刃物のような印象。悪くいえばなんか、ひょろい。



 1956年には駆逐艦と衝突してこのように艦首が損傷し、未成となった同級のケンタッキーから艦首を移植する手術を行っているのですが、なんとなくこの頼りなさならこの抉られようも納得できる、かも。



 艦橋付近。両用砲はおそらく戦後一部が撤去された状態だと思うのですが、そのおかげでノースカロライナと比べるとかなりすっきりした感じになっています。

 ここまでは前日外から撮った分。艦内に入るというか上甲板を歩くには併設されているノーティカス(海事博物館)へ入館する必要がありますが(そこの休館日が月曜だったので昨日退却している)、博物館は後回しにしてまずはウィスコンシンに乗艦してみましょう。



 といいながら、まず博物館に展示してあるものを。ウィスコンシンで使っていた銀食器。いいもの使ってますねえ。どうやらなかなかに由緒あるもののようで、初代ウィスコンシン(イリノイ級前弩級戦艦)→初代ヨークタウン→二代目ウィスコンシン→コーラルシー→ウィスコンシンと継承されていたようです。ヨークタウンからは太平洋戦争が始まる前に降ろされているようですが、もう1年ちょっとタイミングがずれていればこの豪華な食器もミッドウェーの海の底だったんですねえ。 ……ちっ。



 今度こそ乗艦ー。同型艦とはいえ、ニュージャージーとは艦橋の形状は少々違いますね。こっちの方が好き、かも。



 艦首方面。やっぱ長いですねえ、無駄に…



 その長い艦首と共にアイオワ級の特徴、NTDS(海軍戦術情報システム)のアンテナ。甲板に直に、じゃなくて台座というか足場というかに載ってるのは、単に高さを稼ぐため?



 台座にはまさに乗ってるだけ(笑)。



 艦首の方からー。



 博物館の方を見れば、なんかなんの説明もなく刺さってる飛行機。A-4 スカイホーク? …の練習機型…??



 爆音がしたので上を見上げたら、なんか飛んでいきました。さすが現役軍都。



 主砲。この梯子もアイオワ級名物、かも。主砲の覆いはゴムっぽい触感。



 側面にはこんなプレートが。イラク… というかクウェートの都市、ですかね? 一番上には砲弾のマークが無いところからすると、カハジの戦い全体の中で細かい各目標に撃ち込んだ数、でしょうか。さすがに1発とか4発ずつだけということはないでしょうし、1発で10発分とか、そんな感じで表してるのかなあ。



 カッターとその台座。



 一応上甲板内部の部屋もガラス越しに除くことができなくはないのですが、日光の関係で写真はおろか肉眼でもまともに視認できず。かろうじて撮れたのはこの一枚くらい。



 いきなり艦尾に移動。こっちも長い。先の方はヘリ甲板。さらに三番砲塔を撤去してヘリやらハリアーやらを搭載する近代化計画もあった、んでしたっけ。 ……もし実現した状態でこのように展示されていたとしたら、伊勢日向というか航空戦艦大好きっ子の私などは今以上の歓喜のあまり悶死していたかもしれません。 ……まあ、すんでのところで思いとどまるあたり、米海軍はというのそれなりに正気を保てる集団のようだ、ということで。

 …航空戦艦なんていうロマン装備を、それも(いくら垂直離発艦可能な機材が充実したとはいえ)戦後になってから導入しようなんていう試みを思いついてしまう時点で致命的に正気を失っているような気はしないでもないですが(笑)。



 昨日水上から見たタマロアとか、なんかちっちゃい帆船とかが近くに。



 艦尾から。



 艦尾機銃座の撤去跡。



 測距儀は蓋、してありますね。



 両用砲。前後、お行儀よくおさまってますね。



 旋回する余裕は割とギリギリ。うっかりぼさっとつっ立ってる時に回られたらえらいことになりそうです。



 一瞬乗組員の私物のクーラーボックスのようにも思えますが、火工品用のロッカーらしいです。



 機銃… にも見えませんが、礼砲かなんかですかね?



 艦橋。中には入れませんが、一応外側の信号艦橋までは登ることが可能。



 というわけで登って見下ろす主砲と両用砲。ううむ、梯子といいこの上面といい、アイオワ級の主砲塔って… やっぱ変だなあ……



 モップ掛け。解説板に曰く「モップは海軍で一番重要な道具」だそうです。



 ここも何かの撤去跡。




 戦後真面目に運用された戦艦の、というかそれすなわちアイオワ級の特徴ええと何個目だっけ、トマホーク。航空戦艦化以外にも主砲塔1基〜全撤去ミサイル艦案というのもあったようですが、これもその、思いつくだけで色々アウトな気が…

 あ、そういえばトマホークは置いてあってもハープーンやCIWSは撤去されてるのか見当たりませんね。残念。



 第一煙突とその上に張り出したマスト。 …やっぱり、無理があるんじゃないのかなあ、これ……



 第二煙突の方についてるのは、まあ、これくらいなら。



 煙突表面、結構ベコベコしてますね。



 後部… 艦橋というかなんというか。Fire Towerとありましたが、直訳だと火の見やぐらになっちゃうんだよなあ。



 外側しか見れないとほんとあっという間ですが、これが最後の展示物、自転車置き場。我が国の海上自衛隊もママチャリを装備している(参考写真)のは有名ですが、こっちは見た感じ普通のリクリエーション用っぽい。 ……ってここで日本同様の装備だったりしても衝撃的ですが。自衛隊ならまだしも米海軍がママチャリて。



 これでウィスコンシンは終わり。どうせなので博物館の中も覗いてみます。博物館内は軍事コーナー(模型展示が主。とはいえ、ハンプトン・ローズ海戦の関係でモニター関係が充実してるのは少し楽しいかも)の他、一般海事から気象、近所の生態系までの海に関連すること全部取り扱う、よくあるといえばよくある感じ。



 で、片手がもげたボール… じゃなくて海底探査ポッドがまるでクレーンゲームのように置いてあったりしました。実際にアームを操作できますが、置いてある目標物側にもアーム側にも掴ませてあげようという気遣いは皆無(そもそも掴めても景品などはない)なため、ゲーム天国JAPAN出身者の意地を見せることはできず。面目ない。 …って普段別にクレーンゲームとかやり慣れてるわけでもないのでできなくて当然ですけど。



 随分とごっつい潜水服の中、無理のある態勢で展示されている彼。その姿勢ゆえに表情をうかがい知ることはできず。



 艦船を操作して水路を通り抜けようゲーム。 …ええ、なにがなにやらわからないうちに岸壁に激突させて大惨事を引き起こしましたが、何か?




 のどかにカブトガニが遊弋していたりウツボが思索にふけっていたりするかと思えばイージス艦もどきが展開してもいるあたり、油断はできません。よく見たらCIWSもVLSもフェーズドアレイレーダーも装備してるあたりが。



 実は童心に帰りっぱなしというかそもそも根本的に童心から一歩でも成長したことのない私は博物館の展示品を結構楽しんでいたのですが、キリがないのでギフトショップへ。ノースカロライナで沿岸警備隊版しか見つからなくて他はどうなってるのか気になっていたモノポリー、ちゃんと海軍と海兵隊もありました。この分だと陸軍版もどこかにありそうですね。



 

 次は、すぐ近くにあるマッカーサーメモリアルへ。彼の母親(この人がまたいろいろな意味で強烈なおかんだった… ことは、周知の事実としておいてもいいのでしょうか)がこの地の生まれだったからなのか、元帥は今ではここで眠りについています。



 相変わらず自身に溢れた姿で屹立なさるマ元帥。



 夫人と共に眠りにつかれるマ元帥。占領下の某国では神扱い、というかガチでマッカーサー神社を建立しようという運動もあったらしいというようなお人ですから、拝んでおいて損はないでしょう。 ……当時の日本人的にはいざ知らず、今のネタ重視の視点からすればどう考えても祟り神ですけどげふんげふん。

 館内にはマ元帥の生涯を紹介したパネルや、所縁の品の展示なども。なお、当たり前の事ではありますが才能と性格の反比例とか件の対中華原爆使用発言、大統領選の結果などについては、適切かつ見事にぼかしてありました(笑)。



 そのパネル展示から。マ元帥は幼少時、母親によってヨーロッパの風習にのっとり女装させられていた… という小ネタがありますが、そのマ元帥幼少時、5歳くらいの時の写真。 …確かに、イメージしていたほどフリフリはしていない(そのイメージは最近の二次元文化準拠なんだから違って当たり前だ)ですが、とはいえこのスカートっぽい服にぱっつんな前髪、確かに、これは…… 男の娘、です、ね……



 もう一枚、家族集合写真で。 …うむ、こんなかわいい子がグラサンコーンパイプの自信過剰親父(しかもその自信に裏打ちあり)なはずが…… ……あって、しまうんだよなあ……



 こっちはそんな時期のはるか後、日本占領時に描かれたマ元帥掛け軸。日本人は時々意図してか知らずか凄いステキセンスなことをすると思います。ノリが昔… 江戸時代とかそこらへんの人の肖像画と大して違わないという(笑)。




 この3点セットはもしかしなくても、例のあれでしょうか。



 ギフトショップで売っていたフィリピン抗日ゲリラ発行の紙幣。本物、とのことではありますがまあ、こんな場所で1枚5ドルで売ってるくらいなのでそこまでレア物、というわけでもないのでしょう。



 ちなみに、この周辺一帯は記念館以外にもいろいろマ元帥にあやかった施設や地名があり、その最大のものはこれ、ダグラス・マッカーサーショッピングセンター。中には「ダグラス・マッカーサージュエル&ウォッチ」やら「トイザらスダグラス・マッカーサーセンター店」などがあり、こう、色々とステキです。
 もっとも、人のフルネームを地名や施設に転用することに抵抗があるのは実は日本人くらいの少数派で、その日本人も名前か名字片方だけなら結構平気で使ってしまう上に下手をすれば実在の人物だろうと萌えキャラ化だのゆるキャラ化だのして名前はおろか人格そのものを消費してしまう分、余計タチが悪いのですけど。 …などとそんなことを考えながら実は昨日はここのフードコートで晩飯食ったり、本屋でオスプレイの第二次大戦太平洋戦線のアメリカ陸軍騎兵部隊本買ってたりします。 …後者は別に皮肉とかそういうわけではないですよ?



 最大のものがショッピングセンターなら小さい方は、といいますとこれだったりします。ドラッグストア・マッカーサー。コンビニ的な感じの店ですね(夜7時には閉まるので不便ですが)。ショッピングセンターもそうでしたが名前と共に元帥の五つ星もトレードマークとして取り込まれているため、ドラッグストアが五つ星を冠しているというある意味恐ろしい事態。

 それよりなにより恐ろしいのは「マッカーサー」という単語と「良き隣人」というフレーズが同居していることですが。はっはっは… …なんの冗談なんでしょう?(笑) 

 はい、そんな感じで今回も見物日程終了、あとは帰るだけ。皆様、今回もお付き合いいただきありがとうございました。 …しかし、なんか気づけば2年、2回の北米行で東海岸の主要艦艇ほとんど撃破しちゃったんですねえ…… 我ながら、なんでこんなことになってるんだろう……

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