ワシントンDC2日目 ウドバー・ハジーセンターその4 5月12日(火) 1階で残っているのはコンコルドと回転翼機群。これを片づけて、2階……というか空中に吊るしてある連中に向かいましょう。 ご存じコンコルド。これはエールフランスの最初の機体のようです。いかにも超音速機、的な優美さに溢れた機体ではありますが、それと旅客機としての能力は確かにマッチしないか…… 隅っこに固められた回転翼機コーナーの前には、おなじみの見果てぬ夢こと垂直離着陸に挑戦した機体たちの死屍累々模型が。そう、実はこんな民間機だらけの片隅に、非常にステキなコーナーが残っていたのです(ステキだからこそ端っこの方に追いやられているともいう)。 XOH-1 ホーネット。ローターの先にラムジェット。その騒音と回転するラムジェットの排気炎による光輪が、50年代中盤のカリフォルニアでUFOと間違えられたという…… K-225。世界初のガスタービンで飛んだヘリコプター(今のエンジンはオリジナルじゃないようです)。また、HOKシリーズとして空・海・海兵隊に採用されたシリーズの原形ともなりましたが、ローターの形式がやっぱり特異な交差反転式。実際順調に飛んで軍に採用されたのだから問題はなかったのでしょうが、どうしても素人目にはこうやって置いてあるのを見ているだけでほんとにローター同士が干渉しないのか、不安になります YROE-1 ローターサイクル。敵地に下りてしまったパイロットの脱出用などを目的とする、背負い式一人用ヘリコプター。もうこれだけで「やっぱダメでした、てへ」な結末は見えているでしょう(笑)。ちなみにホーネットもこれも、同じヒラー社(ヘリコプターデザイナー、スタンリー・ヒラーの会社)の作品。 P-V Engineering Forum PV-2。パイアセッキのヘリコプター。 Model 1031-A-1 フライング・プラットフォーム。大体察しがつくかもしれませんが、使い方については、以下の図をご覧ください。 ……もちろん実用化されてませんけどね。なお、これもヒラー社の作品です。 XH-44 ヒラー・コプター。誰が作ったかは…名前でわかるでしょう。ただし、これは成功作。しかも、作ったのはヒラー氏が19歳、テストしたのも彼の通う大学のフットボールスタジアムだったというから、やはり凄い人であったのは確かのようです。若干紙一重の方に傾いている気もしますが… これも、確かに凄いけど形はなんかアレだし… Autogiro Company of America AC-35。オートジャイロ。 ベンセン B-6 ジャイロコプター。車などに牽引してもらって宙に浮く、ジャイロコプター。少年たちに大空のスリルとかロマンを安価に味わってもらうために開発されたそうで、当時のだとは思いますが100ドルくらいから買えたようです。 乗ってるところ。 同じくベンセンさん作、B-8M。そこらへんの庭に転がってそうな椅子がお茶目。製作費はエンジンがついてることもあり1000ドル〜3000ドルくらい。 Gyro 2000 Ikenga 530Z。作ったのがアーティスト兼産業デザイナーというのが凄いというかなんというか…… ケレット XO-60。オートジャイロの完成形と言っていい機体ですが、同時期に登場したヘリコプターとの競争に敗れて採用されず。ホバリングができないなどの欠点が致命的なんですよね、オートジャイロ… 普通っぽいヘリは一部スルーしています。あしからず。 Ultralight Lazair SS EC。ロサンゼルスオリンピックを含む一時期、カリフォルニアのある警察で使われたウルトラライトプレーン。かっこいいといえばいい、ですが、なんか……弱そう? American Aerolights Double Eagle。これは先代機。さすがにこれではいろいろ問題があったようですが、コンセプトは間違ってないということで上の機の登場につながりました。 ここからやっと空中展示。…ですが、一部解説板が錯綜していたりもう正直面倒くさくなっていたりしますので、一部を除き解説なしのベタ張りで行きます。あしからずご了承ください。 ヴァージン・アトランティック グローバルフライヤー。単独・無着陸世界一周飛行67時間1分の記録保持機。 唐突ですが、館内の時計はすべてロレックスだったりします。 …壁掛けの… 1978年、気球による初の大西洋横断を達成したダブル・イーグルUのゴンドラ。 最初っからこうしてばよかった(笑) これは特筆しておくべきでしょうか。Travel Air D4D "Pepsi Skywriter"。ペプシのプロモーション塗装です。残念ながら、パイロットはペプシマンではありませんが。 さて、再び中央部に戻ってきて、空中展示の軍用機などへ行きましょう。まずは私大好き水上機、N3N-3。イエローペリル、という愛称は機体が黄色く塗られていることから来る、海軍初等練習機全般の愛称。我が国の赤とんぼみたいなものですね。しかし、Yellow Perilって…… 黄色い危険物? …いや、確かに初等練習機、すなわち初心者が乗っている以上、危険物に違いはないかも知れませんが… P-26A ピーシューター。中華民国に輸出された機体は九六式艦戦とバトルしたりもしました。この機体はグアテマラに供与されて、1942年から1954年まで同国軍で飛んでいた(おい)ものだそうです。というか1954年にこの機種で戦闘行動も行われたって…… 解説板のステキ写真。 L-5 センチネル、軽観測・連絡・輸送など機。この機体は生産一号機。 ライサンダー VA 直協機。ドイツでいうとシュトルヒ的な立ち位置ではありますが、シュトルヒに比べるとかなりごつく、そしてなんか全体的に悪役メカっぽく、ある種の魅力には溢れています。この正面から見たところなんて悪の組織の飛行機にしか見えないぞ。塗装と相まって主翼が蝙蝠っぽいし。 PT-22A リクルート。デイトン編で既出。 TG-1A 。操縦が難しいワコ CG-4A(ノルマンディーなどでも使われた輸送用グライダー)のための訓練用に使用されたグライダー。 FB-5。ボーイングで液冷な艦上戦闘機というと、後の世からは想像できません。この機体はラングレーやサラトガに載っていたとか。 左上からファルマン スポーツ、Benoist-Korn Type XII、ニューポール 28C、ラングレー エアロドローメ A。またしても手抜きで第一次大戦上空の機を処理。 エクスカリバーV。見ての通り、P-51C改造機。1951年5月29日、ノルウェーからアラスカまでの北極点横断を10.5時間で達成。その8か月前にはニューヨークからロンドン8時間以下の、それまでのものを1時間以上縮める記録もマークしているそうです。 F6F-3 ヘルキャット。上から見ると意外とスマートだな、という気もするのですが、このように横から見るとやはり…ねえ。この機体は一度損傷して修理された後練習機→標的機と格下げされ続け、最後は無人の大気観測機としてあのビキニ環礁の原爆実験、、クロスロード作戦(長門、酒匂が沈められたやつ)でも観測任務に従事していたようです。しかもそれがF6F全体の最終飛行とか。 J-3 カブ。19,888機作られた傑作機。 Monocoupe 110 Special, "Little Butch"。 Bu(ウムラウト) 133C ユングマイスター。ドイツの練習機。 OS2U-3 キングフィッシャー。米艦の定番艦載機。これは戦艦インディアナ所属機のようです。性能的にはうちの国の零観や零式三座水偵の方が上だもんねーふっふーんなどとは私も思っていたのは確かですが、結局のところこうやって博物館で丁寧に保存してもらえる時点で勝ち組、ですよねえ。そしてやっぱり性能とかどうでもよくて水上機はラブリー。実はキングフィッシャーは陸上機型の方が多い? こまけぇこたぁいいんだよ! かなり無理やりでしたが、とりあえず絨毯爆撃ほぼ完了。最後にドイツのGrunau Baby II B-2グライダーをのっけて、エンタープライズのホールに移動しましょう。 |
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