過去日記目次へ

ソウル旅行記二日目 板門店へ
ソウル旅行記三日目 韓国戦争記念館その2へ
ソウル旅行記目次へ
ばっくとぅとっぷ


ソウル旅行記 3日目 韓国戦争記念館その1 5月28日(金)




 今日の目的地は韓国戦争記念館。この手の博物館は元基地跡や現役基地、飛行場の隣などにあることも多く、どこそこの街にある、とはいっても交通手段に慎重な検討を要するような僻地にあることも多いですが、ここは都心の地下鉄駅(三角地駅。日本語アナウンスまである)からすぐ、というか国防部(国防省)の真ん前という便利極まりない場所にあります。規模も建物、露天部分合わせると相当のもの。むしろ、私が行ったことのある少ない博物館経験からすると最大クラス。ここら辺はやはり現在でも一応戦争継続中の最前線国家であるがゆえ、なのでしょうか、単なる軍事博物館であるというだけでなくもっと重要な施設として扱われているように思われます。実際、我々が訪れるほんの数日前に天安号撃沈事件に関する演説を大統領が行ったのもこの場所ですし、韓国の小中高生はここの見学が義務付けられているらしい(実際この日も小学生っぽい集団が何組か来ていた)ですし。



 それどころか結婚式場まで併設されているという。て、手広いなあ…

 なお、今年は朝鮮戦争開戦60周年ということで、なんと今年1年間は入館無料らしいです。まあ、元々3000ウォン、つまり200〜300円程度ではあるらしいのですが、興味がある方は今年の11月くらいまでに行っとくとお得かもしれません。



 入ってすぐのところにある兄弟像。いわゆるブラザーフッド、ですね。




 …しかし、こういう悲劇的というかシリアスな像の四隅を守るように大砲を置くのはわかるようなわからないような(笑)。左上がソ連製M1942 76o野砲、右上がアメリカ製野砲の韓国改良型、KH178 105mm榴弾砲。同じようにソ連のM1937 122mm榴弾砲、そして我が国の九四式山砲。どれも朝鮮戦争で使われたもので、九四式は中国軍が持ってきたようです。



 この博物館の案内板はかなりの割合で英語だけでなく日本語解説も併記されており、建物内展示については入り口で日本語の音声ガイドの貸し出しもしてくれます。軍事博物館でここまで日本語対応してくれてるところなんて世界でもそうそうない、というか質量を考えると日本の同種博物館(そもそもないですけどね、ほとんど)を二つ三つ回るよりも満足度高いかもしれません。

 屋外には車両や航空機を中心に大物兵器群がずらっと。館内に入る前にそれらを見て回ります。ある意味当然ですが展示されているものはアメリカ製中心、ついで朝鮮戦争などでゲットしたソ連、中国製、もちろん韓国国産兵器がメイン。




 LVT-P7。操縦席は狭い… のはこの種の車両の常で、むしろその中ではマシな方かもしれませんが、そもそも座席を動かさないと操縦席に入れないという意味で圧迫感が。



 こちらはLVT-P3。仁川上陸作戦などで使用。



 M4A3E8 シャーマン・イージーエイト。韓国軍は70年代まで運用してたらしいです。 …物持ちいい、というか諸事情により使い続けなくちゃいけなかったんでしょう。多分。




 ただの博物館ではなく戦争記念館であるため、こういうオブジェというか記念碑というか的なものも。地雷と銃剣、という組み合わせがリアル。上半身半裸の青年がとってるポーズがリアルかどうかはしりません。



 敷地外周部に並ぶ火砲の列。




 ソ連製対空火器×3。順に14.5o対空機銃(解説板を直訳するとそうとしか書いてませんでしたが、ZPU-4のことでしょう)、37o対空機関砲 M193985o対空砲 M1939




 米帝の90o対空砲 M1、ソ連の57o対空砲、再び米帝の(というかいわゆるボフォースですね)40o対空機関砲 M1。何故かさっきもあった85oと37oがもう1門ずつありましたが、一見した限りバージョン違いとかではなさそうなので略。57o対空砲については解説板に形式とか書いてませんでしたが、57mm AZP S-60でしょう。英ウィキペには朝鮮戦争で使われたとは書いてない(解説板にはあった)ですが、まあ、ほら、英語版といえども所詮ウィキペですから。



 この屹立する黒いモノリスは日本史でもおなじみ広開土王碑、あるいは好太王碑のレプリカ。なんか一瞬日帝の捏造があるとかいわれたけれどやっぱりそんなことはなかったっぽい、あれです。意外とでかい。そしてここ含め各地にレプリカ立てまくってるんですね、韓国。なんというか、こう、微笑ましいなあ。



 好太王碑といえば高句麗、ということで古代朝鮮半島勢力図。よく見ればこっそり独島まで書き入れてあります。いやもうほんと、微笑ましい努力ですねえ(実際国内だけでこうやって国民の意思を統一するのはお互い様だから仕方が無いなあ、という気はします。この問題について嫌だなーと思うのは当事国でもない諸外国に対して執拗かつ過剰かつ一方的な宣伝攻勢や圧力をかけまくってたりすることにあると思うわけでして)。



 ともあれ次行きましょう次。次はしばらく航空機エリア。左は韓国最初の国産飛行機、「復活」号。なお、復活の文字は李承晩大統領の親筆です。右は韓国初の国産練習機、KT-1。1999年量産開始ですからかなり最近なんですね。で、これらの後ろに見えますのが大きさ的意味でこの博物館最大の展示物。



 そう、B-52D ストラトフォートレス! デイトンでも1機は見ましたが、屋外、それも他にこれに匹敵する連中がいないところでみるとさらに格別の巨大感。そしてやっぱり写真に入りきらない(笑)。



 T-28 トロジャンT-33A シューティングスター。こいつらはあっちゃこっちゃで見かける機体ではあります。



 これもそこら中の博物館に、場所によっては形式違いを複数持ってたりするF-86D セイバードッグ。この取ってつけたようなロケットランチャーがステキ。



 C-46 コマンドー。日本でも使っていましたが、青瓦台襲撃未遂事件や対スパイ作戦に活躍した、という経歴は日本ではありえません。



 T-37。形式まで書いてませんでしたがブラジルから買ったCの方?



 F-5A フリーダムファイター。同盟国にばらまく軽戦闘機にこの名前をつけるという、あまりにもわかりやすい当時のアメリカのノリが大変ステキ。なんだかつい最近「某国の巨大掲示板群にF5アタックをしかけていたら、本国でF-5が墜落したでござる(さすがにA型ではなく改良型のタイガーUのようですが)」みたいなニュースがありましたが、かなり古い機体ですしこれまでにも結構しばしば墜落事故が起きてたので、変な呪いとかそういうわけではないような気がします。もっとも、韓国空軍の整備能力というのも少々アレなところなきにしもあらずという感がいたしますが…



 と、ここで衝撃の物体を発見。韓国にまで事業展開していたのか、月極定礎ホールディングス…!! 暦が檀紀になってるのはご愛嬌。



 C-119 フライングボックスカー。朝鮮戦争の空挺作戦で使用。



 DHC-2 ビーバー。デ・ハビランド・カナダ製の民間向け機ですが、米軍もL-20(U-6)として採用し、指揮連絡機などとして使用。もちろん韓国軍も導入。



 AN-2。ソ連製、つまり北の持ち物です。スタイルからすると一瞬小さい軽飛行機かなー、と思ってしまいますが、立っている人との対比からお分かりのとおり、でかいです。



「北朝鮮が保有していた」ではなく、「北朝鮮が保有している」。特殊部隊の侵入用としてのみならず、報道によると2年ほど前にこいつからシルクワーム改造の空対艦ミサイルを発射する実験に成功したとか…



P、というか第二次大戦後なのでF-51 マスタング、「信念の鳥人」号。



 C-123 プロバイダー。韓国軍はヴェトナムで使用。



 機内で出番を待つ、ややうつろな目の空挺部隊のみなさん。



 AH-1J コブラ。韓国軍は1976年から導入。



 MiG-19。解説板によると中国が改良した型、とありましたので殲撃六型ですか。この機の出所は言うまでもなく北からの亡命機(1983年2月25日)。



 おなじみF-4C ファントムU



 T-41B メスカレロ。1972年から韓国空軍で退役する2006年までの34年間無事故という大記録を打ち立てた、とか。



 F-86F セイバー。場所によってはどころかこの博物館自身も持ってましたね、複数(笑)。



 S-2 トラッカー。前から見るとかなり寸詰まりのように思えますが、横から見るとそうでもなく。エンジンがでかいからか。 …いや、やはりどちらかといえば短い部類ですか、胴体。

 これで屋外展示が半分強。次回は少々ある海ものと車両系中心にいってみます。

ソウル旅行記三日目 韓国戦争記念館その2へ

アクセスカウンター
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送